ドミニオン、実際のところ、どーよ?

 新ゲームのドミニオンですが、私にとっては、ひさびさにやっていて面白い、やる気の出るゲームです。前のドッグはやる気ができないので、まだ未プレーです。2対2のチーム戦ですから、下手を打つと相手に悪いと思っているのも、気が進まない理由です。

 その前の、ストーンエイジは面白いのですが、私は余りマネージメント重視のゲームが好きでないため、ゲーム回数は多くありません。

 そこで今回のドミニオンですが、バリエーションの多さ、戦術を考える楽しさ、勝利に運が数割必要だが、有利な手を打った方が勝利しやすい実力の面が多いことで、文句なく面白いのです。

 BSWの常連さんは、本当のボードゲームのベテランさんや、私と違って重量級ゲーム大好きな人、マネージメントゲーム好きな人とバリエーションに富んでいますが、全員声をそろえて「このゲームは面白い」と好評です。

 BSWで遊ぶときは、オプションのランダムをつけてプレーするのがメインです。このオプションで、25種類の王国カードの内10種類が自動的に選ばれます。購入コスト3以下が4枚、4以上が6枚です。そこで選ばれた10種類で、有利な戦略を考えるの「すっげー」楽しいと言うのが、我々プレーヤーの共通した意見です。

 実際のプレイ経験から、ちょっとご紹介しましょう。

 基本は、1から3価値のコインを利用し、コイン、勝利点、王国カードを購入し、デッキを強化し、デッキ中の勝利点カードを増やすことが目的となります。

 勝利点カードは誰が勝ったのかを決めるため、そりゃ重要なんですが、ゲーム中は何の役にも立たない、何の効果もない邪魔者です。ゲーム終了時に、カウントされるだけです。つまり、何の策もなく、勝利点カードを集めると、デッキ中にゲームに役に立たないカードがどんどん増えてしまうことになります。毎回、手札は5枚と決められています。役に立たないカードが多ければ、手札中に役に立つカードが入ってくる確率が低くなります。(最近、「薄い」デッキと日本人プレーヤーの中で表現されるようになってきました)

 デッキを濃いままプレイするのが王道となります。とは言え、勝利のために勝利カードを入手しなければ勝てません。濃いまま戦うためには、役に立つカードを先に十分な数そろえるのが、必要になります。

 実際購入するには、お金が必要です。銅=1,銀=2,金=3価値で、これらのカードを集めれば、それだけ購入力が上がります。しかし、主流の戦い方は、これらのカードをデッキに足すのはもちろんですが、王国カードの能力に+1コイン、+2コインがあるカードを発動して、手札中のコインカードの価値の合計+王国カードの能力で追加されたコインの価値が、そのターンの購買力になります。

 例えば、銅、銅、銀、地所、市民軍の5枚が手札にあったとします。(分かりやすいように購入力の単位としてコインを利用します)銅は1コイン、銀は2コインですから1コイン×2個+2コイン×1個=4コインです。地所カードは勝利点1ですが、ゲーム中は役に立ちません。この状態で自分のターン、アクションフェイズに市民軍を発動します。アクションフェイズは手札の中のアクションカードの能力を使用するフェイズです。市民軍は他のプレーヤーの手札を3枚に減らす攻撃カードですが、+2コインの能力も持っています。そのため、このターンの購入力は銅と銀カードの分の4コインに+2して、合計6コインになります。

 自分のアクションフェイズに発動できるアクションカードは通常1枚です。ですが王国カードの中には+1アクションの能力があるものがあります。これは、もう一枚、別のカードが手札に有れば、アクションを実行できる能力です。

 この能力のあるカードが手元に複数有れば、連続してアクションを実行できます。日本人プレーヤーは通常コンボと呼んでいます。

 もちろん、手札は5枚ですから、コンボの数には限りがあります。しかし、アクションカードの中には、+1カードから+4カードまでの能力を持つものがあります。これらのカードを発動すれば、アクション中に手札を追加することができ、その中にアクションカードがあり、まだアクションが行えるなら、すぐに使用することができます。もちろん、金銀銅コインカードを引くこともあり、それはこのターンの購買力を引き上げます。

 コンボにより、デッキの購買力を上げ、高い能力のカード=値段が高いカードや、より高いコインカード=高価値、勝利ポイントカードを購入を目指すのが、通常の戦い方となります。

 コンボは連続するとそれだけで楽しくなりますよ。そこで重要なのが+2アクションの能力を持った王国カードです。25種類中2種類、村カード、大市カードがこの能力を持っています。

 +1アクションは次に+1アクションの能力を持ったカードを発動しない限り、コンボは連続しません。+2アクションのカードなら、アクションを続ける効果は無いけれど、その他の効果の大きいカードを、そのあと2枚使用できるのです。

 実際のプレーで、10枚の王国カードの内に「村」が入れば、まず全員購入に走ることになります。村カードはコストが3で安く、ゲーム前半でも購入しやすいカードです。村カードを十分に獲得できないと、獲得したプレーヤーに追いつくのは非常に困難です。連続コンボの威力は、デッキの内容にもよりますが、かなり大きいです。

 「大市」はコストが5コストと高いため、最初から、ばんばん購入できる機会は少ないです。しかし+2アクションの他に、+1購入、+2コインの能力も備えているため、後半に自分のデッキの底力を引き上げるのに重要な機能を担います

 現在、10枚の中に「魔女」が入ると、早い段階から数枚デッキに入れるプレーヤーがたくさんいます。魔女は+2カードの能力を持ち、また他のプレーヤーに災いカードを入手させる能力を持っています。災いカードはマイナス1点の勝利ポイント、つまり、勝利ポイントを枚数分だけ引き落としてしまいます。災いカードの数はプレイ人数により決まりますので、無限に引かれることはありませんが、勝利ポイント以外に痛いのが、不必要で使い無いカードがデッキに入ることで「薄く」なってしまうことです。特にデッキ全体の枚数が少ない初期に、どんどん放りこまれると、挽回するのは困難です。

 魔女は攻撃カードの一枚ですが、他にも攻撃カードがあります。これらの攻撃を無効にするカードが「城壁」です。手札の中に有れば、それを相手に見せることで、攻撃を無効にできるカードです。BSW版では、バグのため、魔女・泥棒・スパイ・官僚に対して動作しません。唯一、市民軍の攻撃を無効にします。(私個人的には、リリースに時間がなかったため、それらに対する機能を入れられなかったのではないかと思っております。)

 このバグのため、魔女の能力が強くなり、魔女は「買い」カードになっています。

 手元に入ってしまった災いカードの対処としては、「礼拝堂」カードの能力でデッキから取り除く、「改築」の能力で2コストのアクションカードに変えてしまう、のどちらかです。もしこの2種類が10枚に入らなければ、入ったままです。まあ、この2種類をデッキに入れるよりは、得点をより稼げるカードを優先し、災害カードは放っておくのも手ですね。

 10枚の中に「庭園」と「作業場」が入ると、薄いデッキ作成合戦が始まります。

 庭園は王国カードですが、その中で唯一アクションカードではありません。勝利得点カードです。4購入コストです。このカードはゲーム終了時のデッキの総枚数、10枚に付き1点が入ります。

 作業場は4購入コストまでのカードを発動ごとに在庫から入手できるカードです。

 庭園をできるだけ確保し、作業場をデッキに入れることで、さらに作業場、庭園を追加、その他コスト4までのカードをどんどんデッキに入れます。つまりカードをどんどんデッキに追加します。カード枚数を集まれば、それだけ勝利得点が入るわけです。

 通常は30点台はかなり高い得点ですが、この2枚が入ると40点台、50点台が叩き出せる、高得点ねらいのペアです。

 他に変わったところねらいと言えば、「冒険家」です。唯一の購入コスト6のカードです。サーチ系のアクションが取れるカードです。このカードを発動すると、デッキから2枚のコインカードが出るまでドローを繰り返せます。銅2枚ドローで、最低2コイン分ですね。金を2枚ドローできれば3コイン×2で6ポイントです。

 このサーチ能力を十分に活かすためには、銅より銀、銀より金のカードの割合を大きくすることです。それにより、このカードを発動した時の能力が段違いになります。下手なコンボを狙うより、このカード発動で毎回4から6コイン分のコインカードを引ければ、勝利カードをガンガン入手できます。

 それに、勝利カードにより、多少デッキが薄くなっても、サーチ系の能力は有功に利用できると言うのがポイントです。

 実際、総枚数を少なく、最低限の濃いデッキを構築し、短期勝負にでるのが通常です。では濃いデッキを作成する、つまり、銅コインカードを少なくし、銀、さらに金カードを多くするには?

 王国カードの中に、礼拝堂があれば、それを使い、銅をデッキから除外することで、金・銀の割合を上げるのが一つの手です。

 もし、金貸し(購入コスト4)や官僚(購入コスト4)、鉱山(購入コスト5)があれば、冒険家との相性はばっちりです。

 金貸しは手札の中に銅カードがあれば、それをデッキから除外することで、そのターン+3コインするアクションカードです。銅カードの価値が1コインですから、+2コインの能力でありますが、銅カードを消せると言う利点があります。

 官僚は発動のたびに、銀カードを山札の上に置くカードです。つぎのドローには必ず手元に銀カードが来ます。銀の割合を大きくしてくれるカードです。また、官僚は攻撃カードの一枚でもあります。他のプレーヤーは手札より、勝利得点カードを一枚、山札の一番上に置かなくてはなりません。無い場合は、それを証明するために、手札を全部公開しなくてはなりません。勝利得点カードが山札の一番上に来ると言うことは、次のドローでは必ず役立たずのカードが手札に入るという意味ですね。

 鉱山一番、冒険家にぴったしのカードです。発動すると手札の中のコインカードを除外することで、購入コストが+3までのコインカードを手札に入手することができるのです。

 銅の購入コストは0,つまりただ。銀は3コスト、金は6コストです。銅を除外すれば、銅か銀、銀を除外すれば、銅か銀か金が入手できます。まあ、普通は銅を除外して銀、銀を除外したときは金を入手しますね。低い価値のコインカードを減らし、高い価値のコインカードをふやす、まさに、冒険家にぴったりです。

 こんなに強い組み合わせを作りやすい冒険家ですが、天敵がいます。「泥棒」です。

 泥棒は発動すると、発動者以外のプレーヤーは山札の上2枚を公開しなくてはなりません。その中にコインカードが含まれていれば1枚、もし2枚ともコインカードの場合は発動者が選択した1枚をデッキから除外することができます。そのあと、除外したコインカードの中で、欲しいカードがあれば、それを発動者は選んで自分のデッキに入れることができます。早い話、他のプレーヤーのコインカードを取り上げるか、単に除外するカードです。

 冒険家をメインに勝負なら、少ない枚数の濃いデッキを作りますが、それは泥棒のターゲットになりやすく、銀や金を持って行かれたり、デッキから減らされます。まさに天敵です。

 特にバグのため泥棒の効果を防ぐ城壁が機能しないため、守る手だてがありません。このバグが取れたら、城壁を入れておくのも手ですが、ややデッキが薄くなってしまう欠点もあります。

 さて、いくつか例を挙げてみましたが、なにせ組み合わせで、どれが効果的か、どのコンボねらいで行くか、多すぎて全部は説明できません。ほかにも、魅力的な能力がある王国カードはありますからね。

 通常のカードコレクションし、デッキを組み、デュエルするゲームと違い、最初のデッキは同条件、入手可能なカードも同条件のところから始めるわけです。最善なデッキを組む能力と、カードの引きの運も必要な、今年のBSWゲームの中で一押しのゲームです。

 あとは、バグがいつ取れて、日本語化がいつになるのかが問題なんだな。これが。


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