手作りアフターシェービング

グリセリンを使った、アフターシェービングの作り方を紹介します。まあ、要は化粧水なんです。

追記:新しく、肌の補修成分を追加したローションの作り方も紹介しました。アラントインを追加したローションです。

アフターシェービングの中でも、アフターシェービングローションです。

実際の作り方の前に、このサイトで紹介済みの知識の復習をさっと行いましょう。

なぜ、アフターシェービング

アフターシェービングは保湿を行うために使用します。肌は保湿しておいたほうが、修復力が上がります。

鋭い刃物でヒゲを剃るということは、肌にそれなりのダメージを与えます。それが早く回復するように、保湿したほうが良いのです。

必ず必要か?

汗をダラダラかく季節や環境で過ごしている人であれば、必要ありません。

乾燥する季節や、シェービング後の乾燥で肌が突っ張る人は保湿したほうが良いでしょう。

ローションとバルム

保湿には2つあり、一つは保湿成分を肌上、もしくは肌表面の皮膚や脂と結合させ、水分をとどめることです。もう一つは、肌の表面を覆うことで、水分の蒸発を防ぐ方法です。

基本的にローションにより保湿成分を補い、バルムで肌に蓋をします。しかし、製品により含まれている成分は異なるため、必ずしも明確に機能が別れているわけではありません。日本の大手の製品では、両方をいっぺんにおこなえる製品もあります。

また、ローションの中には香りを付けるだけの薄い香水のような製品もあります。そうした製品には保湿成分は含まれていません。

日本ではアフターシェービングクリームも昔はありましたが、今では少なくなりました。

さて、軽く復習をしたところで、実際の作り方です。

アフターシェービングローションの作り方

作成する量は100ccが適当かと思います。これでも普通に使用していたら、数カ月持ちます。大量に作成すると、保存期間が長期になるために、雑菌の繁殖などを警戒する必要が起きます。少なめに作り、早めに使用するのが良いでしょう。

基本的にはグリセリンを原料とした化粧水と同じです。グリセリンの保水作用に期待したローションです。

  • グリセリン10%
  • 水道水、もしくは蒸留水90%

これだけです。水道水が良いのか、蒸留水が良いのかは意見が別れます。水道水は消毒のための塩素類が含まれていますので、多少は殺菌作用により腐らないことが期待できますが、水道水に含まれる塩素などは蓋をしていても揮発していきますので、作用はせいぜい一週間程度でしょう。

塩素が肌に悪いとか、成分に変化を起こすとか心配する人は蒸留水を使用します。まあ、心配であれば蒸留水を使ってもらえばよいのですが、我々ウェットシェーバーは水道水のお湯を普段から利用していますし、普通の日本人は入浴時に水道水を沸かしたものを浴びているわけですから、ローションだけに神経質になる必要はまずないでしょう。

安全性を考えるのであれば、少なめに作り、早めに消費することのほうが重要です。

顔に使用する場合、グリセリンの量は10%を超えるとベタつき感が強くなります。最大で10%に抑えましょう。薄めに作成し、塗り重ねたほうが調整が効きますので、賢いでしょう。

グリセリンも自然派の人は「植物性グリセリン」を勧めていますが、グリセリンはグリセリンなのでさほど気に来なくても良いのです。

私の使用しているローションは、すっきり感を出すためにメンソールを加えています。

  • グリセリン10%
  • 消毒用エタノール10%
  • l-メンソールひとつまみ
  • 水道水、もしくは蒸留水80%

消毒エタノールにl-メンソールを軽くひとつまみ入れ、金属製のスプーンで溶かしましょう。金属製の容器でかき混ぜます。プラスチックだと溶けることがあります。

完全に溶け切らなくても大丈夫です。ほぼ溶けたら、水道水を加え、グリセリンを加え撹拌したら完成です。完成品は、プラスチックの容器でも大きく溶かすことはありません。しかし、アルコール分がプラスチックを多少は溶かしてしまうため、ガラス製の容器があればより好ましいです。

使用感は、乾燥するとカサカサしない程度にはしっとりさせますが、ベットリはしない、結構気持ち良い使い心地です。

材料は全て薬局で手に入ります。特別なものではありません。消毒用アルコールはどこでもおいてあるでしょう。グリセリンもまず置いてあります。l-メンソールはいつも売れるものではないため、置いていない薬局もあります。薄荷(はっか)として販売されています。

消毒用のエタノールは、エタノールが約80%、残りは水分です。アルコール分100%だとすぐに揮発してしまいます。消毒力は基本的に濃度×時間です。いくら消毒力があっても一瞬で乾いてしまうと十分な効果がでないため、「消毒用」には20%ほどの水が入っており、ゆっくりと蒸発するようになっています。

消毒用のエタノールを勧めている理由は、金額が安いからです。特に夏に需要がある製品のため、秋口には安売りしています。その頃に購入しておくと良いでしょう。

エタノールはl-メンソールを溶かすために使用しています。メンソールは水には溶けないため、アルコールの助けを借りて水と混ぜます。

市販のシェービングローションは40%から60%程度のアルコール分が含まれています。このアルコールが肌を乾燥させるため、アルコール未使用を謳う製品もあります。

この手作りローションはアルコール分が10%以下なので、肌を乾燥させることはまずないでしょう。その代わりに、消毒作用は期待できません。しかし、ひげそり後に皮膚を消毒してもあまり意味がないため、消毒作用がないからマイナスだとは言えません。1%以上のアルコールが存在すれば、殺菌は無理でも制菌作用はあります。つまり、それ以上菌を増やさない効果があります。保存性をよくできるのです。

メンソールをエッセンシャルオイルのような香料に代えることもできます。その場合、溶かし切るためにアルコール量を増やす必要が起きることもあります。アルコール濃度が高くなる場合は、プラスチック容器ではなく、ガラス容器や金属の容器が必須です。

クラッシックなタイプのローションには油分、主に植物油を加えている製品もあります。こうした製品は使用前に分離していますので、よく振り、使用直前に混ぜてから利用します。乾燥肌の方は、肌に良いとされる油を少々混ぜるのも良いと思います。ただ、やはり使用感が油っぽくなります。そのため、かつてノンオイルが宣伝文句になったこともありますので、好みで加えてください。この場合も、油との混ざりを良くするために、アルコール濃度を上げる必要があるかもしれません。

揮発をどう防ぐ

含まれている成分がグリセリンだけですので、保湿成分は補給できても、水分の揮発を防ぐために肌を覆う成分は含まれていません。

香りが気にならなければ、青のニベアやフェイスクリームが使えます。無香料が望ましいなら、ホホバオイルなどの植物油が使用できます。こうした情報は、ネット上にたくさんありますので、このサイトで紹介する必要はないでしょう。

私は乾燥する時期は、純度の高いワセリン、たとえばサンホワイト、HGワセリン、赤ちゃん用のワセリンなどを使用しています。手のひらで温め、肌に塗ったら、ティッシュを肌に貼り付け、余分なワセリンを取り除きます。これは皮膚刺激性が低く、カバー力も大きいのでおすすめです。


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