戦略的シェービング:安く剃る

ウエットシェービングの中でも、カートリッジ式のカミソリに比べ、両刃のカミソリはランニングコストで優れています。お金をかけないでシェービングする方法の提案です。

カミソリ

両刃とストレートのカミソリは、クラッシックシェービングというカテゴリでくくられます。

一回購入するとずっと使えるため、ストレートのほうが安くつきそうです。しかし、カミソリ本体の値段がまず高額です。使いはじめると、通常一本ではすみません。二本、三本と購入することになるでしょう。それに、研ぎを依頼する場合、その分の金額がかかります。自分で研ぐとすれば、4/8千番手程度の砥石、さらに凝ってしまえば1万2先手番程度の砥石を購入することになります。カミソリに最適だと言われる天然砥石にも手を出すと、さらに出費がかさみます。

多分、革砥にも凝りだし、複数購入することになるでしょう。他の人の顔を剃る道具である、ストレートレザーで自分の顔をするというのは、趣味的な要素が多くなります。

替刃のランニングコストがかかるにせよ、両刃のT字安全剃刀が値段的にトータルで安く付くかと思います。本体と替刃の購入だけで済みます。

日本人の間やバンダナ兄貴という名前で有名なあの方がおすすめしている、定番品が3種類あります。検索すればすぐに分かります。

最近の、髭剃りを趣味にしている人が興味を持っているのは、スラントと呼ばれる、刃を斜めにセットするタイプのものです。昔からのブランドではなく、新しいブランドもオリジナルとしていろいろ出して来ています。

中国製の安いカミソリでも、中にはそこそこで問題がないものもあります。しかし、日本にはフェザーのポピュラーがあります。初めてのカミソリとして購入するのであれば、中国製よりも安心でしょう。

ただし、ポピュラーは超マイルド、つまり肌触りがとても優しいカミソリです。同じフェザーの替刃であるハイステンレスは、世界で一番剃り味が鋭い替刃で、基本的にこの替刃で使用してパフォーマンスが発揮されると考えてください。その場合、いくらハイステンレスが鋭くても、本体のマイルドさにより、初日ならともかく、2日、3日目になると、仕上がりが悪くなります。髭の濃い人や深剃りを追求したい方には向いていません。

本体については、100円ショップで取り扱いのあるドルコでもいけるかもしれません。

替刃

では、どの替刃が良いかといえば、今回の方法では「切れ味はあまり良くないが、安い」替刃を選びましょう。なぜなら、値段第一の方法を考えているわけです。

紹介するのは、かなり水分多めな泡で剃る方法ですので、髭が柔らかくなります。私の場合ですが、普通の泡では1回か2回しか剃れないドルコで、それ以降でも剃れました。初めからまったく剃れなかったDerbyの替刃でも、剃れました。(ただ、Derbyは薄いので、1回使用したら刃先が荒れ、2回目以降は痛くて使用できませんでした。)

ちなみに、私の場合ですが、フェザーハイステンレス初日に今回の方法で剃ると、あごのあたりが負けます。できるだけ、柔らかく剃るのですが、鋭すぎるためコントロールがとても難しいです。逆反り時に強く当てれば、肌が切れてしまいますし、柔らかく肌に当てればコントロールしづらいのです。3日過ぎあたりの、切れ味が落ち着いてからであれば、この方法が使えました。

ブラシ

どんなブラシでも使えます。

もし、ブラシをお持ちでないなら、人工毛のブラシをおすすめします。値段が比較的安いですし、手間を変えずにすぐに使用開始できます。

天然毛の場合、毛自体に油が含まれており、それが臭いの原因です。こうした脂が抜けるまで泡立ちも悪く、ソープをその分消費します。人工毛の場合、こうした問題も起きません。無駄なソープの消費を抑えられます。

ある程度、名前の通ったブランドの人工毛ブラシであれば、問題はないでしょう。(もっと安く上げたければ、いろいろなブランドの人工毛のブラシを検索し、写真を見まくってください。特に拡大して、特徴をつかみます。そうしたら、AliExpressで同じ特徴を持つブラシを探します。中国製はハンドルはダサいです。しかし、ブラシの部分、シェービング用語でノットと言いますが、天然も人工もノットは中国産が多いので、同じノット=同じ性能のブラシが、安く購入できます。)

ボール

たっぷりの泡を作る方法ですので、シェービングボールは必要です。

専用のシェービングボールをわざわざ揃える必要はないでしょう。100円ショップで適当な料理用のボール、陶器などを購入できます。

もし、クラッシックシェービングが日本でもブームするようになれば、100円ショップでシェービングボールも販売されるようになると思います。発注先は中国です。中国では「どんなものが必要なのか」という情報がないため、現在まともなシェービングボールは作られていません。100円ショップが発注することにより、中国の生産工場が、シェービングボールはどのようなものなのかを理解し始めると、すぐにAliExpressなどでも購入できるようになるでしょう。

ソープ

どんなソープでも、まず行けると思います。

1. 普通の石鹸

普通の石鹸でも構いません。ただ、シェービングソープに比べ保護力は全く無く、滑りはある結果になるかと思います。

2. Henry Cavendish

このサイトでレビューを紹介している、アマゾンのシェービングソープ部門のベストセラーです。他のソープと値段はあまり変わりませんが、3つまとめて購入すれば2つ分の値段で購入できます。一つで3ヶ月分使えるのが宣伝文句です。

Col.Conkなどの安いソープでも行けるかと思います。2オンスの製品は約一ヶ月分として販売されており、3ヶ月分として3つ購入すると、Henry Cavendishの割引価格とあまりかわりません。

3. その他シェービングソープ、クリーム

値段的には、CavendishやCol.Conkなどより、一般的に高くなると思います。もし、手持ちのソープやクリームがあれば、それでもできます。改めて、購入する必要はありませんよという意味でリストしました。

髭を柔らかく

髭を柔らかくしておく、シェービングの前の手順は必ず行ってください。洗顔が一番簡単です。ゆっくりと洗顔するだけです。

ローディング

普通に2パスから3パスできる程度のソープをローディングしてください。ブラシに少々多めにお湯を含ませて、10秒程度でしょうか。

ラザーニング

柔らかい、水分を多く含んだ泡を作ります。シェービングソープは、ローディング後に加える最低限度の水分で塗れる程度の硬さになります。この状態はクッション性が最高です。もう少し水分を加えると、滑りが良くなります。鋭い刃で剃るときは、クッション性が十分にあり、しかもよく滑る、この状態でないと刃当たりがきついでしょう。

それ以上水を加えると、段々泡が大きくなります。通常、そうした状態では「水の加え過ぎ」と判断されます。泡が大きくなっても、一生懸命泡立てていれば、細かくなりますが、この状態では軽すぎてクッション性も、滑りも悪くなります。

今回の剃り方では、この状態で剃ります。水分が多い泡で持続的に髭に水を吸わせておき、柔らかく保ちながら剃るためです。

この方法が邪道かといえば、昔の床屋さんでは例の花王の粉石けんをちゃちゃっと溶いて、軽く泡立て、それで剃っていました。水分は現在のYoutube動画で見られるような「少なめ」ではありません。たっぷりとした水分の泡を使っていました。ですから、邪道というよりも、日本の伝統と言って良いでしょう。

・普通の石鹸とCavendish以外のシェービングソープ・クリームの場合

十分にお湯を加えた状態で、ブラシでかき混ぜます。大きな泡ができます。

まず試しに、大きな泡が細かくなるまでかき混ぜてください。その泡をブラシで顔にのせてみましょう。カミソリをあて、クッション性が全く無く、滑らない場合は一度捨ててください。

前回と同じようにローディングし、同じ程度の水分を加えます。そうしたら、前回ほど細かくせず、「肌に乗る程度」の粘りができたところで止めます。この泡で剃りましょう。

一度細かい泡を作成して試した理由は、Henry Cavendishのようなソープでは、細かい泡を作れ、そのほうがクッション性が出るからです。皆さんが試してみるソープの性質がわからないため、一度試してみることをおすすめします。

・Henry Cavendish

このソープは水分を多めにしても、簡単に細かい泡ができます。細かい泡を作ったほうがクッション性が出ます。滑りにはさほど変化はありません。(軽く滑る程度です。ほとんどたっぷりの水分による潤滑を利用します。)

どのソープ/クリームを使用しても、本来のクッション性や滑りの良さは当然無くなります。わずかなクッション性と滑りで剃る方法です。

ポイントは、「十分な水分」です。クッション性や滑りではなく、水分量を重視して泡を作ります。

剃り方

普通に剃ってください。鈍い刃でもそれなりに剃れることが分かります。

泡はたっぷりとのせましょう。水分を補給し続けるのがポイントです。薄く乗せて乾燥してしまっては、意味がありません。

泡にクッション性と滑りはありませんが、鈍い刃であれば、多少強めに押し付けても、水分により皮膚の張りもよく、あまり傷つきません。本当にシェービングに水分は大切だと分かります。

十分な水分があるため、髭は柔らかいです。私は普段、フェイスラザーをしますが、事前準備をしっかりしているにも関わらず、髭が固くなることを往々にして感じることがあります。よく考えれば、水分が少ないソープは浸透圧により髭の水分を吸収してしまいます。そのため、固くなることもあるのでしょう。

髭が柔らかいため、鋭さのない替刃でも剃れます。逆に鋭い刃では、ソープによるクッション性がないため、肌を傷つけてしまうでしょう。

極端に深剃りをする必要もありません。髭が十分に水分を含んでいるということは、良く伸びているということです。シェービングが終わり、しばらくすると水分が乾燥し、今度は縮みます。ある程度剃っておけば、後から確認すると、結構な深剃りになります。

鈍い刃でゴリゴリと剃る「根掘り」のテクニックが使いやすい手法です。

まとめ

シェービングの楽しみは少ない方法ですが、経済性という別の一面で優れた方法かと思います。

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