KARA、鈴木亜美、全日本プロレス

タイトルだけで言わんとする内容が推測できる人もいるでしょう。その通りです。KARAの解散の速報を聞いて、記事を書いたきり、黙っていました。色々と書きたいことはありましたが、成り行きを見守ることにしました。

一応、報道を見る限り、どちらが悪いというまとめ方をしているようなTV局はいないようですね。ただ、「仕事を押しつけたことで人格の冒涜」をしたような内容と、「相談無しに、あるいはごまかして仕事をおしつける」+「黙って、言われたとおりにしろという暴言により人格を冒涜した」と2つのニュアンスに別れていて、前者の報道が日本では多いようです。

さて、鈴木亜美さんの騒動を覚えているでしょうか?彼女に入るお金を巡って、親がちょっかい出したため、本人はしばらく表舞台で活躍できず、盛りをすぎてしまってからやっと戻ってこられました。実際この頃、日本の芸能界でアイドルが売れると、売れている間は低収入で、その代わり、盛りを過ぎても事務所がある程度の期間は良い収入を保証してくれるというシステムだったようですが、その時点の収入が少ないため、親が余計な介入をしてしまい、そんなアイドルなどだれも使いたがらなかったわけです。

韓国のシステム云々と言っていますが、それは日本の芸能システムを参考にしたものであったのはよく知られています。特に、ジャニーズを参考にして、国家レベルでコンテンツ作りにいそしんだ結果が、今日のK-popの隆盛につながりました。システム的には事務所が育て、その中からお金を稼げるようになり、その金で他の人を育てるというのは日本であろうと、韓国であろうと同じでした。今でも、大手の事務所では、この形が基本でしょう。

人気のあるときに仕事を詰め込むのも一緒。そのときに、いちいち仕事の内容をアイドル自身に説明して、許可を取っていたのでは、マネージメントになりません。そんなことにアイドル・芸能人本人がかかわらずに済ませるためにマネージメントがあるわけですから。

そこで、大きな違いになるのが、長期契約という考え方です。将来を10年近い、アイドルとして稼げる時期全部を、拘束されるのです。日本でも、数年の契約は聞いたことがありますが、まるまる全部、拘束してしまうのは、行き過ぎです。しかも、売れなくなったら事務所は放り出すわけですよね。売れなくなった後もフォローしてくれず、もらえるお金もたいしたことないまま。事務所のほうが圧倒的に強い権利を持っています。

ただ、トラブルの本質はそこではありません。お互いが納得しているのなら、それは「奴隷」的でも何でもないのです。しこりも残りません。

ここまで、関係がこじれたという点で、まずマネージメントがだめだったということです。全て結果論ですから。商品であると同時に、人間であるという、しごく当たり前の面を見落とすと、所属芸能人と事務所、双方にとってトラブルになります。契約で人間は縛られないのです。決めごとが必ず守れるなら、信号無視する人も、オーバースピードで走る車も、この世に存在していません。信頼関係がなかったと言うだけの話です。それは、所属芸能人と事務所、どちらの責任なのかと言われれば、当然マネージメントを営んでいる事務所側の落ち度なのです。それも含めてのマネージメントですから。(まあ、所属芸能人にもよりますがね。エリカ様とかありますから。最近は。)

DSPメディアの場合、社長が倒れて、奥さんが経営してた。それで、トラブル。これも日本でも良くあるパターンです。有名なところでは、全日本プロレスです。そう、馬場さんが亡くなって、その後を継いだ婦人のやり方について行けず、大量に離脱者を出してしまいました。

ことは簡単です。例え奥さんが、夫である社長のやり方をよく知っていて、それをそのまま代わりに行ったとしても、そのやり方は、社長だからこそ、上手くいっていたのです。その社長のコミュニケーションのスタイル、品格、人格というものがあってこその手法であったのです。社長夫人は社長自身ではありません。ですから、同じことをやったとしても、上手くいく可能性が低いのです。

さらに、KARAがぐっと成長する時期にトップマネジメントの後退となりました。例え、社長がそのまま元気であったとしても、下積み時代、人気が出てきた頃、人気急上昇中、絶頂期、後退期ではとる手法が異なっているでしょう。伝えられた話によると、いわゆるBランクの仕事をいれてしまい、Aランクの仕事を断るという、ことも多々あったようです。グループとしての信頼を構築していく時期には、先に入れた仕事を必ず守るというのも、必要であったでしょうが、急成長の時期ではもっと先を見越したマネジメントが必要だったのでしょう。それが、分かっている故に、メンバーも反感を強めたのでしょう。

もちろん、奥さんが経営者として人格者で、経験もあり、芸能界に詳しいなら問題もなく、全て上手くいったのでしょう。しかし、結果として、ことを大きくしてしまい、メンバーのコントロールを失ってしまった時点で、スキル不足であったと判断してもかまわないでしょう。

全体としては、そういう話です。ただ、メンバー個人という点で言うと、報道されているのとは、私の個人的な意見は多少異なっています。

まず、ギュリですが、本質的には状況を観察し、頭で分かってから、行動するタイプに思えます。お母さんが声優で、芸能界にも詳しい、韓国芸能界の現状を考え、KARAのメンバーの状況はそれほど悪いものではないと、分かっていたでしょう。ご両親も、芸能界の厳しさをよく知っておられるようで、それで今回の騒動には初めから関わっていないと伝えられています。

ギュリはKARA解散後も芸能界へ残って仕事を続けていくつもりだったんだと思います。そのため、事務所と事を構えるという考えは初めから持っていなかったはずです。それは、将来の芸能活動の目を摘んでしまうことですから。問題を起こした芸能人は、人気が落ちれば、お払い箱です。

今回の件を別として、ギュリはKARAの中でどのような役割を果たすべきか、女神キャラは別として、どんなキャラクターで押すべきか、ずっと迷っている感じがします。本来、彼女はユニークでウィットに富んだ人ですから、そのまま彼女の持っているユニークさ、それは時に毒を含んだブラックなものにもなるでしょうが、それをそのまま出した方が、魅力が出し切れると思います。

ク・ハラは報道されているとおりでしょうね。おばあさんに育てられ、両親とはもともと距離があったようで、そのせいなのか、自立した性格です。今回の離脱の件も本人は聞いておらず、結果、その日に撤回となりました。それは、意志が弱いと言うことではなく、自分の人気は自分ががんばって作り上げたものであり(正に、その通りです)、この先もがんばり通せるという強い気持ちから来ているのだと思います。ハラの人気は細いスタイルや端整な顔立ちだけでなく、強い心(負けず嫌いと通称されておりますが)によるものです。

彼女がもっと成長し、がんばらなくても物事が上手く行くことに気づいたときが、彼女本来の力が出せるのでしょうけれど、まだそれまでは時間がかかりそうですね。今回の件を成長の糧にしてくれればいいのですが。

末っ子のジヨン本人はこの手の騒動を特に嫌う性格です。今回の件が起き、今回の件により一番傷ついているのがジヨンでしょう。明るいポジティブな性格な彼女は、そうでないものを認められないのです。しかも、まだ若いですしね。彼女の考えも聞こえてこないし、両親の考えが見えないので、これ以上判断が付きません。

やもすれば、散漫になりがちな性格ですが、トラブル前のジヨンはKARAであることに集中していました。だから、彼女にとって最高なメンタルコンディションであったはずです。今回のことで、いきなり天国から地獄に落とされたような心境ではないだろうかと心配しています。基本、立ち直りは早いので、トラブルの早期解決が彼女のためには一番良いんではないでしょうか。

さて、ニコルとスンヨンですが、二人とも性格は似ています。優しいんです。事件前の時点で、特に傷ついているのがこの二人だったんだと推測しています。

スンヨンは自称、他称とも「頑張り屋さん」です。それは、彼女が人を愛する人間である所から来ています。グループ、事務所のためにがんばってきたのは、彼女が自分の愛を与えられるタイプの人だからです。しかし、まだ若く、人格が豊かであると言えるほど、まだ成長していません。まだ二十歳そこらのお嬢さんです。キリスト教徒であり、愛することの重要性は頭でも心でもよく分かっており、そうしてきました。しかし、それは、相手からも同じように扱われるべきだという思いも生んでしまったのだと思います。そう、彼女が欲したのは「愛される」ことでした。彼女の人格が成長すれば、相手に与える愛のほうが自分の本質であると分かるでしょうが、まだ若いのです。

もちろんファンは彼女を愛します。しかし、事務所の誰かさんは彼女に愛しているという姿勢を見せることができないところか、推測するに罵詈雑言を浴びせたのでしょう。Twitterでネガティブな発言もありましたしね。「事務所の言うことだけを聞いていればいい、口答えするな」という旨の発言で傷ついたというのは、特にスンヨンであると思っています。彼女には常に愛情を見せる態度で接しなければなりません。しかし、マネージメントサイドは逆の接し方をしたのでしょう。

彼女が続けてけがをしたこと、やたらと転びそうになる傾向が多くあるところから、ずっと心理的な乱れを抱いているのではないかと思っていました。

成功しているならば、どのグループでもそのグループのイメージを代表し、グループを精神的・象徴的に引っ張っていくメンバーがいるものです。Perfumeにおけるあーちゃんみたいな存在です。KARAでは間違いなくスンヨンです。彼女がキーウーマンなのです。一番、エネルギーを持っていて、多少のことでは曲がってしまわない人格ですが、それがこじれた時点で、グループにトラブルが起きるのは必然です。

スンヨンのお父さんは立派な方ですね。落ち着いて、ことが収まるのを希望していらっしゃいます。

ニコルは他のメンバーの二倍難しい立場です。本人の評判に加え、今回の報道で、ニコルママが両親間で主導的立場であるとも、裏で糸を引いている人間がニコルママと通じているとも報道されているからです。ことが収まった後でも、これでマイナスのイメージがニコルに残ってしまいます。

ニコルもスンヨンと同じ性格です。優しく愛情あふれているのです。初めは韓国語が上手くしゃべれないところから、あほキャラ扱いだったようです。言語的には多国語の習得能力が他のメンバーより劣っているだけで、実際に馬鹿ではないことは言うまでもありません。本来持っているその優しさから、控えめで周りのメンバーを建て、自分は一歩引くところがあります。ですが、愛情があふれ出してくるキャラクターです。

彼女にとっても愛はとても重要な問題です。ただ、アメリカでずっと育ったわけです。愛と性に関しては韓国より、もっとオープンで自由な国です。つまり、ボーイフレンドの一人も当然いて、その年代であってもボーイフレンドとセックスするのも当然である環境にいたのに、儒教の考えがまだ深く残る韓国で、しかもアイドルとして抑制され、固定されたイメージでいなければならない環境に閉じ込められたわけです。

彼女が、ボーイフレンドをほしがったり、「そんなに純粋ではない」とか話したりするところからの、推測です。遠からずでしょう。まるで、いきなり修道院にでも入れさせられたような感じなのではないでしょうか。

たぶん、彼女の考える愛とは、恋人がいてその人との間に精神的、肉体的に関係を持ち続けることです。これも年を重ねれば、本当の愛は特定の関係から発生するものではないと分かるでしょうが、いかんせん、こちらもまだ二十歳前後のアメリカのお嬢さんです。口先で、これからも恋愛の機会はあるんだよと言っても、納得はしないでしょうね。彼女にとって幸せは、愛情があふれていることであり、愛情あふれている状況は、恋をし、結婚し、家族を持つことなのでしょう。

それと彼女がボーイフレンドを早めにほしがるのは、将来の体型の乱れを気にしているからでもあるでしょう。基本、食欲にあふれ、それが故に過食で太りやすい問題を自覚しているのです。KARAでなかったら、小太りになっているでしょう。そうなる前に、何とかしてすてきなボーイフレンドを見つけたがっているんだと思います。

そもそも、彼女がこうした思いを持っていたとして、相談できる成熟した女性が近くにいないか、ママしかいないのではないでしょうか。スンヨンとニコルのためには、成熟しメンタルの扱いに優れた女性マネージャーが必要です。本当に彼女たちを理解し、愛情を示せる人が近くにいれば、ガス抜きとなり、問題もこじれることも無かったでしょう。

ニコルに関しては、たぶんへこむことがあると、Twitterに英語で、謎かけのようなつぶやきを残す傾向があるのでは無いでしょうか。その後に、削除されるようですけれど。まあ、今回の件が表立ってから、過去のつぶやきのタイミングを考えてみると、そうじゃないかなと推測されるのです。

ニコルママに関しては、報道が正しいのかどうか分かりません。ただ、自分の子が安い給料で、こき使われており、それに対する対価が将来のことも考え十分でないとしたら、親としては何とかしたいというのも分かります。とくに、やり手の実業家でもあるらしいニコルママは、直接的にどうにかしたいと行動に出たというのは筋が通ります。真偽は別にしても、ギュリを除いてご両親は皆、芸能界において素人ですから、ことの行く末を見誤った可能性はあります。韓国であろうと、日本であろうと、条件が悪いと言うだけで、契約解除を言い出すことは、業界から簡単に受け入れてもらえず、味方になる人も少ないのです。それを受け入れてしまえば、成り立たない世界でもあるでしょうし。

この記事はほとんど推測です。たぶん、当たっていることも多いと思ってます。今回のトラブルが早めに収束すること、そしてその時にKARAの各メンバーが日韓でうまく事情を説明でき、これからの活動への障害をできるだけ残さないことを祈っています。そのために、優秀なマネージメントが必要だというのが問題なのですけれど。


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