KARAと少女時代のアルバム

勿論ベテランさんなら、両者のアルバムの作りはよくご存じだと思います。

まず、少女時代の場合ですが、事務所の方針なのか、アルバムの全曲にクオリティの高い曲を持ってきます。しかしながらアルバムを通してのコンセプトとか統一感はありません。

これは、曲を作っている人が原則ばらばらで、「戦略的」に様々な曲をアルバムに入れることを目指しているからでしょう。

少女時代の所属会社であるSMエンターティメントはとても大きな芸能プロダクションです。間違いなく韓国一でしょう。自前のスタジオだけでなく、作詞・作曲・アレンジメント、コレオグラファー、トレーニングスタッフをはじめ優秀なスタッフを抱えています。

そのため、自分の会社の中のスタッフで曲は作成できるのです。実際、アルバムに含まれるほとんどの曲は、自前で用意しているようです。アルバムのスタッフロールを読むと、ちゃんと所属が書かれています。

しかしながら、活動曲といわれるメインの曲は、世界中の曲を作っている人たちから楽曲を購入してきます。世界中には勿論韓国内もふくまれます。実際、実績の一番、二番のGeeとOh!は別の人たちながら、韓国内の有名作曲・アレンジャーさんです。

曲だけでなく、振り付けも活動曲に関しては有名コレオグラファーを起用しますよね。

自前、つまり社内で用意する曲ですら、それぞれの曲によって作り手が異なっています。あくまでも、一つ一つが良い曲で、様々なタイプの曲を入れることで、各ファンが少女時代に対して抱いているイメージに、どこかでマッチするように作られているようです。

推測ですが、多めに曲を作成し、選抜してクオリティーの高い曲だけアルバムに入れている気がします。そのため、それぞれの曲はとてもいいものです。全体としての統一感がないのは納得です。

一方、KARAは韓国内では少女時代ほど人気がありません。実際、二位でもないようです。この人気順位は韓国内での公式ファンクラブに入っているファンの数で計られることが多いようです。

ただ、公式ファンクラブ所属ファン数になると、所属会社の大きさや、戦略のうまさに影響される部分がありますので、あくまでも目安なんですね。

KARAの所属会社であるDSPエンターティメントは会社規模はSMと比べれば断然小さな会社です。ネットの使い方もうまい会社ではありません。ファンクラブに入っている人の数は、実際のファン数よりかなり下回っているのでしょう。

楽曲に関しては、最初からソングライティングチームはズーと変わりませんでした。

同じメンバーでありながら、かわいい曲から、クルーな曲まで多種多様に作成しながらも、全曲KARAらしさを保っている点で、すばらしい才能の持ち主なんだと私は思っています。

ところが、日本で最新のガールズトークでは、ついに現地化対策なのか、日本人の作詞家と、アレンジャーが起用されたようです。まあ10曲中の2曲ですがね。

確かに、言われれば、ほんのちょっと音が違うんですが、アレンジャーさんはKARAの楽曲を良く理解しているのか、今までの雰囲気を壊すことなく、じつにアルバム全体として馴染んでいます。

しかし、やっぱりこの二曲がないと、Jpopアルバムだと、言い切れない部分があります。ほのかに主張しています。

今までのKARAらしさに、日本らしさを加えた楽曲もそろえています。もちろん、KARAらしさが、メインで、それがいつもアルバムコンセプトですね。

アルバムの中にヒット性の強い曲をメインにし、様々なファンのニーズに合わせてくる少女時代のアルバム、それに対してKARAらしさを保ち全体の統一感を保つKARA、おもしろいですね。

日本ではアーティストを目指している少女時代、アイドルを目指しているKARAですが、アルバムの作り方としてはいまのところ逆であることが特におもしろい点です。


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