既にAliexpressで偽ブラシを購入した話は、このサイトの記事にしましたが、今回はまともなブラシが送られてきました。中華ショッピングでは信頼できるショップを見つけるのが一番のポイントですので、紹介します。
今回は、AliexpressではなくてeBayです。購入した製品をまず紹介します。
Extra Density 100% Silvertip Finest Badger Hair Shaving Brush 29mm Knot Black
「特に密集した最上のシルバーティップアナグマの毛、ブラシ29ミリノット、黒」最後の黒はハンドルの色です。
Modelで4種類のうちから選んでください。値段からもわかると思いますが、高いほうが高級品です。安い方からPure Natural、Silvertip、Finest、First Class Silvertipです。
私が購入したのはFinestです。上位3モデルはそれぞれ1ドル程度しか変わらないので、それならば最上位を買おうとしていたのに、間違ってFinestを購入してしまいました。
今日現在、5%オフをやっているので私の購入価格より少々安くなっています。私は約3千円で購入しました。ちなみに国際配送料金も無料で、この価格です。
特徴は29ミリでこの価格ということでしょう。一流ブランドなら150ドル以上は確実にする値段です。
実の話、やれPureだとか、Silvertipだとかというアナグマ毛のクラス分けは、販売側で決めており、統一規格ではありません。売るほうが勝手に言っているだけです。ですから、本当のところ良いか悪いかは、わかりません。使ってみないと判断できません。
使用する毛の量は20ミリと29ミリでは2倍以上違います。20ミリは小さめのブラシです。安めのブラシは一般に19から24ミリくらいの大きさです。30ミリを超えるものはなかなかなく、29ミリはかなり大きめです。
ハンドル部分は黒一色の合成樹脂です。安いハンドルは内部が空洞で軽く、ブラシ部分(ノット)との重量バランスが悪いものが多いですが、この製品のハンドルは適度に重く、きちんとしています。
ブラシの形状は、きれいなバルブ(電球)型です。ブレイクイン(使用前の準備のこと、本来の意味での筆おろし)が済んだ後に乾燥させたらノットの横幅は65ミリでした。
せっかくのアナグマブラシでも、安めの製品では先端を整形のためにたくさんカットしてしている製品があります。アナグマの毛は先端が細くなっていて、それが毛穴の汚れ落としに有効であると言われています。このブラシは意図的に切り詰められていません。まともなノットです。
吸水力を見てもらうためにブルーム(ノットが横に広がること)状態の比較画像を作りました。到着時とブレイクイン後を比べています。吸水力のある製品ほど横に大きく広がります。毛は水分を含むと、含んだだけ大きくなります。ブラシのように根本が固定されていて、毛の一つ一つが太くなれば、両脇の毛ほど外側へ押し出されますので、広がります。
ブレイクインは流水(お湯)で洗い、中性洗剤で5回洗い、30分ぬるま湯吸水、ソープのハンドラザー4回、ボウルラザー1回、水気を振り落とし、タオルで更に水分を吸いとりました。
動物の毛は脂で覆われています。そのままでは加工が面倒なため、灰や粘土など細かい粉にまぶされています。これに何を使っているかわからないため、最初は流水(緩めのお湯)でよく洗ってください。ただし、ブラシの毛に余り強い力はまだかけないでください。次にぬるま湯を入れたコップに中性洗剤をたらし、ブラシを揺らしたり、上下にポンピングしたりして、洗います。「頻繁に水を取り替えて、中性洗剤を加え、洗い」を濁りが無くなるまで繰り返します。汚れた水をできるだけ吸わせないように、素早く繰り返してください。今回はできるだけ同一条件で撮影するため5回で止めましたが、実際は10回以上かかります。次に、水に数十分から数時間付けておき、十分に吸水させます。その後、石鹸でラザーを繰り返します。絶対に必要なわけではありませんが、ラザーの最後の数回は、香りの強い、お気に入りのソープやクリームを使いましょう。獣毛の臭いがごまかせます。
新しいブラシは脂が抜けるまでどうしても動物の匂いがします。届いた段階ではさほど臭いは強くありませんでしたが、ブレイクイン後は濡れたためか、それなりの臭いがするようになりました。(私は慣れているので、さほど嫌ではありませんが、初めて獣毛のブラシを購入する方にはきついかもしれません。これはそういうものですので、しかたありません。今回は特に、中性洗剤での洗いを十分に行わなかったので、ブラシに香りが吸収されてしまいました。)
それにもう一つ。これはバルブ型ですので、良い毛を使っていても「柔らかい」と感じづらいですね。ファンやフラットになっている製品のほうが、柔らかさは感じやすいです。バルブ型を直接肌へ押し付けると、どうしても肌に一番あたるブラシのセンター部分が、周りの毛から抑えられるため、硬めに感じられるからです。
イギリスはファンシェイプが一般的で、フランスとドイツではバルブ型が一般的だったようです。泡立て能力は、接触面が広くなるファンシェイプのほうが優れています。
硬さが気になる方は、肌に当てる時の動かし方を工夫してみてください。よくフェイスラザーの基本動作、「円を動かすように」を実践している「バンダナ兄貴」や「レビュー兄さん」はファンやフラットシェイプを多く使用しているので、肌に対して90度の角度のまま円運動で泡立てています。バルブ型でこれをやると、前述の通り一部が強くあたり、固く感じます。
要は使い方で、同じ円運動でも手首を使い回せば、中央部分だけが強くあたることが無くなり、快適に使用できます。また、バルブ型はブラシの先端が広がるファンやフラットトップ型よりも、全体がまとまっており、コントロールがしやすくなっています。円運動だけでなく、上下、左右のピストン運動で泡立てたり、ブラシの腹でペイントしたり、もしくはボウルで泡立て、それを顔へ塗るのにも便利です。
大きいブラシはそれだけソープやクリームを消費します。このキングサイズのブラシほど大きくなくても良ければ、ノット22ミリ(ブラシの付け根部分の直径のこと、一種類のみ少し大きい)の製品もいろいろ扱っているようです。
Men’s Best Gift Pure Badger Black Hair Silvertip hair Shaving Brush Shave Tool
このショップはノットのみも販売しています。ブラシを購入するつもりで、ノットを購入しないように気をつけてください。
「アナグマブラシは最初から使い良い、豚毛ブラシは段々と良くなる」ことは、よく知られています。実際は、アナグマのブラシも2週間ほど使うと、より柔らかく本来の使い勝手になります。その時に気づいたことがあれば、ここに追記しておきます。
(追記:レポートしていきます。)
1日目
最初はいつもより多めのクリームを使ったが、泡立ち悪し。2パス目の泡が顔に載らないので絞ったら、茶色い泡になった。やはり、ブレイクイン前の処理を急ぎすぎたようだ。洗いなおし、ソープで2パスト3パスを行う。こちらは問題なし。
ファンシェイプのほうがローディングがしやすいという外人が多いが、バブル型は全体が固く、ソープを拾いやすいので、別段問題はない。たぶん、バブル型を使うときもファン型と同様にブラシ全体でロードしようとする外人が多いからではないかと推測。せっかくまとまっているのだから、硬いブラシ中央の先端をうまく使えばローディングには問題ない。
2日目
今日は初めからソープを使用。まだ分量が足りないのか、うまく泡立たず。2パス目には追加ローディングして補正する。
3パス目はブラシから絞りとったが、それまでの時間の間に脂が溶けたのか、根本の汚れが浮いてきたのか、茶色の泡が混ざったため、、一度洗い、ローディングしなおし。
抜け毛は10本程度。
3日目
ソープ使用。初めからたっぷりとソープをロードする。2パスまで問題なし。3パス分は泡を絞りとってみたら、若干最後に黄色の部分ができた。だいぶ、脂が抜けてきたので、泡立ちも良くなりつつある。
気がついた抜け毛なし。
4日目
久しぶりにクリームで。アーモンドサイズよりちょっと多めでも、2パス分程度しか泡立たず。まだ、ブラシに油が残っているのか、だいぶ取られてしまう。しばらくソープのほうが良さそう。
抜け毛は数本。
5日目
クリームをアーモンド1個半分を顔に直接つけ、フェイスラザーで泡立てる。今までで一番良い泡ができる。(ストレートを使うため、いつもより水分少なめの硬め)1パス目は問題なし。時間がないので2パス目で止めることとし、軽く絞り出したら2パス分としてはやや多すぎる量が取れる。ブラシを洗う時の白濁具合から、かなりの量がブラシにも残っていた様子。
絞った時に泡が黄色になることもなくなった。しかし、まだ数回は警戒の必要がある。
最初に想定していた通り、ブラシ全体で泡立てるより、毛先だけで泡立てるほうが良いようだ。今日はブラシの水分をできるだけ振り落としたが、少々残すようにし、根本まで泡が行かないように調整したほうが使いやすそう。
ブラシが大きいぶん、ソープ・クリーム食いだ。
抜け毛は数本。
6日目
いつもは十分にブラシの水気を振り落としてから、ソープをロードするが、今回はあえて少し残した状態でロード。今までで最高に、肌触りが柔らかい。少し水気を残したほうが、良いようだ。ただその分、フェイスラザー中に、水分や緩い泡がぼたぼた落ちる。
今日は2パスでやめ、2パス目は絞り出したが、やわい泡であれば3パス行ける。しっかりと厚い泡で剃ろうと思うと3パス分には足りなかった。石鹸に食われる分がまだ多い。
抜け毛は数本。
7日目
お湯を含んだ状態でほんの軽くゆすり、そのままソープでロード作業。びしょびしょなので20秒かからずたっぷりの濃い石鹸水をロードできた。
今日も急いでいたので、2パスでやめたが、軽く4パスできる。いつもの2倍以上ソープを消費。これなら、100グラムのハードソープ、150グラムのソフトソープを一ヶ月で消費できるだろう。
肌触りは最高。1パス目は石鹸水や泡が飛び散るが、さすがにブラシが多いだけありメガトン級に周りや首から下が汚れる。2パス目は、ブラシが少し水分を吸収するせいか、やや落ち着き、素晴らしい泡立ちと感触。
目立った抜け毛なし。
毛の色の茶色は多少抜けてきたようだ。もともとの毛の色に、製造時に付けた泥や灰により、更に茶色くなっていたのが、落ちきった様子。これ以上、真っ白にはならないと思われる。使用感としては、使い始めの慣らしが終わったと思われる。これ以降は安定して良い状態が続くだろうと予想。
8日目
軽く絞った後に数回振っただけの、水分を少々含んだ状態で、ブラシの先端にアーモンド大のクリームを塗りつけ、フェイスラザーで行う。根本まで油が抜けたのか、使いやすくなった。泡立ちという面では、慣らし完了だろう。ただし、今日はブラシに含ませた水分だけで泡立てれば良かったのに、ブラシの先端をお湯に付け、水分を含ませながら泡立てていたら、途中から水分が多くなりすぎ、ぼたぼた落ちる状態になってしまった。
2パス、3パス目はブラシの側面をやや押し付けながら泡立て、中心に残っている濃い石鹸水を出しながら泡立てた。この方法であれば持続性もよし。少々薄くてよければ4パス可能だった。
押し付けながら泡立てるという、少々荒っぽい方法を利用したため、抜け毛はそれなりに増え、10本程度になった。押し付けるより、高速ピストン運動により、遠心力で毛先の方へ内部の石鹸水を追い出すように使うほうが、ブラシは傷まないと思われる。
9日目
いつもより長い時間、約10分ほどぬるま湯につけておいたら、かなり柔らかくなった。ソープをローディング後、フェイスラザー中に自然と中央部分が開き、ファンシェイプのような感じになったので、円運動で泡立てた。さすがに、この方法だと泡立つのは早い。
2パス目も最初は円運動で泡立てたが、石鹸水の濃度が薄かった。普段とは異なり、濃い石鹸水が周りの方に残っていたので、ここからはいつもの通りに、上下・左右にブラシを動かして泡立てる。
3パス目は絞りとった。今回はローディングした石鹸量がぴったりだった。十分な泡が使え、ブラシには少し残っただけで理想的だ。
こういった使い方も可能になるほど柔らかくなってきた。
目立った抜け毛なし。
10日目
ブラシを軽く絞り、水気を振り落とし、ソープをローディング後、フェイスラザー。けっこう水気を落としたため、ラザー開始時点で水不足。そこでブラシの根本にお湯を垂らしたが、まだ足りず、ブラシの中央にちょっとずつ、垂らしながら泡立てる。
調度良い泡立ちになりかけたところで、ペインティングに切り替えたら、ぼたぼたと石鹸水が落ちだす。ペインティングは根元部分の石鹸水が表に染み出してくるので、最初に補給した分の水分が多かった。
ローディングも抑え気味で、最後は絞り出せば、3パスいけた。やっと、ソープに食われることもなく、泡立ちもよく、使いやすくなってきた。後は、保持できる水分量の変化に気をつけながら、ローディング時間と、泡立てる手順を固定化していけば、毎回気持ちよく使えるようになるだろう。
ということで、10日程度で良い状態になりました。これで毎日のレポートは終了します。キングサイズですが、根本までたっぷりと泡を保持しようとせず、根本は水分の調整、泡立ては毛先を使うようにすれば、さほど大量にソープやクリームを消費しなくても使えそうです。まあ、使いやすいのはもう一回りか二回り小さいブラシでしょう。
約50回使用
普段使いには大きすぎるため、時々使用しています。
油は完全に抜け切れました。使用前に10分以上きっちりと吸水させます。
毛自体が吸い込む水の量が多いため、ローディング前にしっかりと水分を切ります。根本を軽く絞り、その後残りの水分を振り落とします。
本当にごくわずかのお湯を毛先につけて、それからローディングします。この時に、水分を付けすぎるとのちほど、ダラダラになります。ちょっと付ける水分は、ローディングの最初に、乾いている石鹸の表面を濡らして、滑りを良くするだけの量です。ソープを連用している方であれば、吸った水分が乾燥していないでしょうから、水分を振り切ったあと、いきなりローディングしても良いでしょう。
ローディングをしていると、ソープで毛が含んだ水分が排出され、十分に溶かし出すことができます。
油が抜け、吸水性が上がったことで、ブラシ自体もとても柔らかくなりました。ペイントだけではなく、普通の円運動で泡立てることもできます。
最後に泡を搾り取っても、茶色の色が出ることはもうありません。
この時点で評価するなら、最高品質のシルバーティップではないでしょうが、その下のクラスあたりの品質かと思います。電球形で、ブラシ自体で3パス以上の泡が保持できます。
ソープを節約しながら3パス行う人にはやはり大きすぎるかと思います。24ミリ位の一番ポピュラーなサイズが使いやすいと思う点に、かわりはありません。
大きな変化があった場合は、追加しておきます。