Soap Commanderのシェービングソープ紹介

Soap Commanderは、2014年創立の若いブランドですが、ファンをしっかりとつかんでいます。動物性の素材を使わないビーガンタイプのシェービングソープを発売しています。

しっかりとした泡を簡単に作れ、保護性も高いという基本をおさえています。ネット時代に口コミでファンをひきつけ、生き残るブランドには共通点があります。シェービングソープとしての基本性能が高く、それに加えて香りが良いことです。

香りの種類をとてもたくさん出しているブランドも多くあります。それらのブランドの多くは基本性能もきちんと抑えてあります。しかし、あまりネットで目立たないのは、ありきたりな香りをつけているからです。ありきたりになるのは、出来合いのあらかじめミックスされた香油をそのまま使うか、真剣に調香しないため香りが単純すぎるのが、盛り上がりに欠ける原因かと思います。

Soap Commander(以降はSCという略称で記述)も基本生の高さに加え、良い香りで人気を保っています。

商品名

他のブランドとの差別化のため、商品名には原則抽象名詞が選ばれています。抽象名詞を簡単に説明すると、数えられない名詞です。

Loveは「愛」です。Visionは日本語にもなっていますね。ビジョン、「視力」や「将来の展望」を表す言葉です。Passionは「情熱」、Confidenceは「自身」、Integrityは「高潔さ」です。これらは皆、抽象名詞です。

ネット時代は、こうした他のブランドが選ばない商品名を付けることが重要です。たとえば、”shaving soap love”で検索すれば、”Soap Commander”というブランド名を思い出してもらえなくても、商品が表示される可能性が大きくなるからです。

実際、検索するとSCのLoveシェービングソープが、結果として見つかります。世の中には「I love this shaving soap…」のように”love”を使用したコメントがあふれていますが、検索エンジンは頭が良くなっていますし、SCの検索エンジン対応もしっかりしていますので、ちゃんと検索結果としてこのソープを見つけることができます。

SCの香りを表すその他の抽象名詞は、「shaving soap」と一緒に使われることは少ないでしょうから、なおさら検索結果で簡単に見つかるわけです。

成分

ホームメイド、もしくは小ロット作成ブランドが良く使う、イタリアンソープ的な成分配合です。SC自身も「標準的だ」と表明しています。SCは全商品がビーガンタイプですので、動物性の原料は使用していません。

泡立ちの良いステアリン酸とシアバター主体にし、ココナッツオイルなどの油脂分を水酸化カリウムで石鹸にしています。これに鹸化したひまし油を加えて、基本的な石鹸の部分を構成しています。

グリセリンも入っていますが、さほど配合量は多くないようです。

洗い流した時のつっぱり感を防ぐため、シアバターがよく配合されます。と言っても、しっかり鹸化されているシアバターは石鹸です。使い終わった後のしっとり感を出すためには、鹸化されない油を残す必要があります。しかし、油を残し過ぎると酸化しやすくなります。

保存料は入っていません。そのため、「シアバターが石鹸分ではなく油として入っているソープ」で、「洗い流した後もしっとりする」タイプのソープは乾かしてから蓋を閉めるほうが良いでしょう。アメリカやイギリス製ハンドメイドタイプのソフトソープはほとんど当てはまります。

化学製品成分を含まないことが売りのソープブランドの場合、洗い流した後のしっとり感を出すために、上記のようにシアバターを加えるのが常套手段になっています。手作り石鹸でもシアバターはよく使用されるため、多くの英米人に馴染のある石鹸素材です。「シアバター使用=しっとり石鹸」というイメージを消費者が持っています。

ただ、シアバターも完全に鹸化してしまうと、普通の石鹸になります。日本のメーカーが完全に鹸化した商品を売り出したら、「他の石鹸と変らない、しっとりする、かえって乾く」と意見が割れてしまいました。要は普通の石鹸になったわけです。しっとりさせるには、鹸化させるなら未反応の油を残すか、もしくは鹸化が終わった後に加えるわけです。

こうしたさじ加減があるため、「しっとり感」を目的としてシアバターを含んでいるソープであっても、配合や製造工程の異なる各ブランドで使用感の違いがでます。

アマゾンのコメントなどを見てみると、使用後のしっとり感を気に入っている人が結構いるようなので、未反応の油を少し残すレシピを使用しているのでしょう。

季節限定品

年に4回季節の限定品を発売しますが、これを定期購入可能なクラブがあります。コースは3つあり、ブロンド、シルバー、ゴールド、つまり金銀銅です。このメンバーに申し込むと、通常販売開始前に商品を送ってもらえます。

ブロンドはソープ、シルバーはソープとアフターシェーブバーム、ゴールドはそれに加えバス・ソープが送られてきます。ゴールドには更に特権が突いてきます。

次の季節限定の発売時期前に発売予定のサンプル品が送られて、そのサンプルを試し、どれを発売して欲しいか投票できます。一番多く票を集めたソープが、発売される仕組みです。

アメリカ国内のメンバーより値段が高くなりますが、国外に住んでいるメンバーは「インターナショナル」メンバーとして申込可能です。ブロンズは100ドル、シルバーは150ドル、ゴールドは175ドルです。

ただし、いつも申し込めるわけでなく、11月頃に募集のブログが発表されます。値段等は変更される可能性がありますので、新しい内容に注意してください。

限定品

通常の商品は6オンスですが、限定品は3オンスで販売されていますので、ラベルの下にある重さ表示を見れば、簡単に見分けがつきます。(季節限定品は固定商品と同じく6オンスです。)

限定品は販売が終われば、原則再販しないようです。ソープコレクターの方は着実に押さえておきましょう。

固定商品

現在、ずっと販売されている商品は9種類です。8つの香りと香り無し商品です。お気に入りを探し、それを続けて購入していきたい人は、これらのソープから選ぶと良いでしょう。

各香りはのちほど説明します。固定商品は現在、Confidence(自身)、Courage(勇気)、Endurance(忍耐)、Inspiration(インスピレーション)、Integrity(高潔)、Love(愛)、Passion(情熱)、Respect(尊敬)、Vision(ビジョン)です。

去年までもっと種類がありましたが、4つの香りが固定商品から外されました。今後は、限定商品として復活することもあるそうです。

アメリカを守る人々への割引

日本人である我々には直接関係ありませんが、軍人と警察官、消防士、救急救命士などは、商品を10%引きで購入できます。

愛国心に溢れる会社です。

旧製品との違い

ツイッターやブログなどで取り上げられることも多いSCの製品ですが、ソープに関して現在手元に届く商品は、昔の写真とは色合いが異なる可能性が大きいでしょう。

最近、着色料の使用を止めたからです。そのため旧製品の在庫のある小売店やAmazonで購入すると、しっかりと着色された製品が届くかもしれません。しかし、変更されたのは着色料を使わない点だけなので、使用感などは過去のブログやフォーラムなどの内容をそのまま参考にできるでしょう。

ただし、サンプルなどは見分けがつきやすいように、着色するようです。

ブログ

ここまでで紹介したSCの基本的な情報は、ホームページのブログを読むだけで入手できました。英語が読める方は、時々チェックすると良いでしょう。シェービングと関係ない内容も時々含まれます。

家族経営ですので、奥さんが料理のレシピを載せたこともありました。

割引セールや、新商品、商品の廃盤等の連絡は、メールマガジンでも送られてきます。ただ、今年のはじめ頃に息子さんが交通事故に合われたようで、それ以降私の手元には届いていません。

容器

6オンス製品でソープは容器の半分入っています。これはソープをローディングする時に便利なように、わざと半分にしています。

ブランドにより、満杯にしたり、上部に隙間をもたせたりします。どちらが便利かは人により異なります。どちらが良いとか悪いとか言えません。好き嫌いの問題です。

半分しか入っていなくても、不良品ではありません。慌てないようにしてください。

ソープの紹介

シェービングソープの他に、アフターシェーブバームやバスソープも揃っています。また、コーヒーも販売しています。(コーヒーは別サイトにしたほうがよいかと私は考えますが、まあネットに詳しい息子さんがいらっしゃらないようですので、致し方ないかなとも思います。)

以下の画像は、SCのホームページ上にある、各ソープの購入ページにリンクしてあります。画像はSCの許可を得て、SCホームページのものを利用しています。

Thank you for Soap Commander to permit to use your soap production’s pictures.

Ambition

「大志」と言う名前のシェービングソープです。2016年夏の季節限定商品です。もう秋ですので、新しい季節限定ソープも販売されます。

香りはサンダルウッド、バーベナ、シトラスの「古典的」な香りだそうです。男性用香水のGreen Irish TweedやJohn Varvatos Artisan Black Editionが好きな人にピッタリと説明されています。

限定品、季節限定ソープはラベルの上部にその旨が記載されています。特に記述がないソープは定番商品です。

Confidence

「自信」という名前のシェービングソープです。

「スムーズで、肉感的で、柔らかな」香りははちみつ、ムスクにパチョリの香りが少々つけてあります。

Courage

「勇気」という名前のシェービングソープです。

ペッパーコーン(胡椒)、シトラス、シーダの組み合わせの香りは、単一オイルではなく、フレグランスオイルを組み合わせた香りです。

男性的で、無骨で、ロマンちっくで、セクシーで、肉感的な香りのため、すべての男性を勇気づけてくれるそうですよ。

Endurance

「忍耐」と言う名前のシェービングソープです。

オールドスパイスはご存じの方も多いと思います。アメリカの古い、男性用化粧品のシリーズでした。ブランドはいろいろな会社へ移ったようです。現在は、東欧で製造されているようです。

このオールドスパイスコロンの1938年、Shulton Comapnyが出した、オリジナルな香りを再現しています。

トップノートがナツメグ、レモン、オレンジ、スターアニス、アルデヒド、ミドルノートがカーネーション、ジャスミン、ゼラニウム、シナモン、ヘリオトロープ、ピメント、ベースノートが竜涎香、安息香、シーダ、バニラ、トンカ豆、ムスクです。

Gusto

ガストでもお馴染みです。食事の時であれば「心からの美味しさ」、その他の場面では「心からの楽しさ」を表す単語です。

限定品です。ラズベリーレモネードの香りです。2015年夏の季節商品が、限定品として再販されました。

ラズベリーに少々レモンの酸っぱさを加え、ちょっとの砂糖を溶かした香りです。「ピンクレモネード」を考えろとのことですが、日本人には簡単に想像できませんね。

Inspiration

「インスピレーション」と言う名前のシェービングソープです。

ジャパニースグレープフルーツと言う香りの説明がラベルにありますが、これはゆずのことです。ゆずは日本の代表的な柑橘系の香りですから、他のブランドでも、香料として利用しているのを見かけます。

英文で「…this hybrid of grapefruit, mandarin, and tangerine…」と書かれており、そのまま読むと「グレープフルーツ、マンダリン、タンジェリンを掛けあわせたもの」と読めてしまいます。本当にそう思っているのか、香りを説明するための表現なのかはわかりませんが、誤解を生みそうです。

Integrity

「高潔」という名前のシェービングソープは、香料を加えていません。香料にアレルギーを持つ人のためのソープです。

Love

「愛」という名前のシェービングソープです。

本当のバラの香りです。ドイツのKlar Kabinettのシェービングソープの香りを再現しようとしたそうです。

The Taylor of old bond streetのローズシェービングクリームでも説明しましたが、バラの香りは種類が多いため、実際にどんな香りかは想像できません。オリジナルのKlar Kabinettのソープは「化粧品のバラの香り」だそうです。

Passion

「情熱」という名前のシェービングソープです。

チーク材の軽いウッディな上品な香りに、カルダモン、シナモン、くロープ、ベースにシーダ、アンバー、サンダルウッド、パチョリのリッチな香りをくるませた、セクシーで魅惑的な香りです。

Refreshment

「リフレッシュ」と言う名前のシェービングソープです。

スイート・ティという香りのタイトルがついています。「甘い紅茶」です。限定品です。再販しないそうです。

香りについての具体的な記述はありません。

Renewal

「リニューアル」,「再生」と言う名前のシェービングソープです。

ラベル上の香りの説明は、Floral Fougereで、Fougereはフランス語らしです。「花の香のシダ」でしょうか。芳香性のシダは香料の一つです。

2015年春の季節商品を限定版として復刻したものです。香りとしてはラベンダー、シーダ、モミ、砕いたパイン(杉)、樟脳、パチョリ、干し草、タバコ、シトラス、ヨウシュネズ、ベチバー、紅茶、それに若干のヒヤシンスを合わせたものです。

Respect

「リスペクト」、「尊敬」という名前のシェービングソープです。

パチョリとライムのエッセンシャルオイルのコンビネーションです。

Vision

「ビジョン」という名前のシェービングソープです。

香りはベチバーとマルベリーのベースに、シトラス、クロフサスグリ、パイナップル、甘露、ナツメグ、睡蓮を調香しています。

オススメは?

SCに直接、ベストセラーとオススメを尋ねました。

一番売れているのはCourage(勇気)、二番目はVision(ビジョン)だそうです。そのため、オススメもこの2つだそうです。

最後に

ラベルのデザインは、やや近未来的ですが、ベーシックなシェービングソープの配合で、きっちりとしたソープです。


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