Proraso、グリーンシェービングソープレビュー

ウエットシェーバーには世界的に人気のある、Proraso(プロラソ)のグリーンをレビューします。

基本的に日本語のレビューがある製品について、当サイトでは記事を書かないことにしています。しかし、シェービング界で有名な外人が、英語のブログ記事でProraso製品を評価していたのを読んで、書く気になりました。

そのブログでは基本的にチューブのクリームを評価していましたが、ソープはクッション性と滑りが悪いため、レビューさえする気がないようでした。

特徴

Prorasoはイタリアの大衆シェービング用品ブランドです。手作り高級品を製造しているわけでなく、工業化された製品を安く販売しています。

ソープはイタリアでは3ユーロちょっと程度です。日本人にとっての100円が、現地では1ドル、1ユーロという感覚になりますので、イタリアに住んでいる人にとって300円ちょっとの製品になるわけです。

イタリアの床屋さんビデオを見てみると、たっぷりと使用し、もこもこ泡にしています。ただ、もこもこにするためにかなり時間をかけています。

それはソープ(店によってはクリーム)をたっぷり目に使用し、水分をやや少なめにして泡立てているからです。安い製品ですから、たっぷりと使用しているのです。

しかしながら、アメリカに渡ると10ドル程度になり、日本では安くて15ドルになります。そうそう、濃い目に使って無駄にたっぷりの泡を作ることはできません。

どのソープにも言えることですが、濃さと泡立て方によりソープの使用感が代わります。

濃い目に使用すれば十分なクッション性と滑りがあります。ただし、よりマニアなクラッシックシェーバーが好んで使用する、小ロット生産のアーティザン(職人)ソープよりは、クッション性も滑りもやや劣ります。それは、製品の価格が異なる、つまり材料の値段も違うのですから、しかたありません。大体、アーティザンソープの8割型の性能です。

水分を加え、滑りを最適な濃度に調整すると、更にクッション性が落ちてしまいます。ソープをもこもこに泡立てて使用する人であれば、輪をかけて更に落ちるでしょう。ただ、クッション性の強弱は、カミソリの鋭さにより合う合わないがあるため、クッション性が高いのがいつも良いというわけでないことに注意してください。あたりの柔らかいカミソリを使用する場合は、クッション性は落ちてもある程度の滑りがあれば、十分に剃れます。

また、クッション性と潤滑性が高すぎる製品は、鋭すぎるカミソリと同様に、初心者向きではありません。ウェットシェービングを初めたばかりの人に、クッション性が高く、つるつる滑るソープを使わせたのでは、逆に剃りづらく、面倒なことになります。

その点、このソープは滑りもクッション性も適当です。特に鋭いカミソリを使用するのでなければ、扱いに困ることはないでしょう。

香り

Prorasoはこの製品を発売し、イタリア国内でシェア第1位に登りつめました。ユーカリとメンソール、カンファーを混ぜた香りです。メンソールはミント(薄荷)油、カンファーは樟脳の主成分です。

日本に昔からあるメンソレータムの香りに似ています。スーとした、スッキリとした香りです。

この香りは好き嫌いがあると思いますが、基本的に清潔感を感じさせます。そして、さほど長く残りません。

最初は強くこの香りを感じる人もいるかと思います。ただ、香りは慣れやすいものです。香水の実験で、最初嫌っていた香りでも、数回嗅いでいるうちに好きになることが多いことが実証されています。もし、どんな製品でも香りが気に入らないからとすぐに捨てるのはよしましょう。何度か使用してみて、それでも好きになれなければ、そのときに破棄を考えましょう。

機能性

このProraso緑は、私にとって特別な使用感のあるソープです。

ユーカリ油とメンソール、カンファー3つとも、弱い殺菌力と麻酔作用、抗炎症作用があります。それが、特に肌に障害がある時に役立ちます。

たとえば、肌荒れしているときであったり、前のシェービングに失敗し、カミソリ負けが数日続いている場合などにはこのソープを選びます。

ただ、肌に冷感を感じるだけでなく、痛みやかゆみなどの不快感を感じさせなくしてくれます。そうしたネガティブな要素があると、必要以上に慎重になったり、集中が途切れてしまいますので、弱い麻酔力、抗炎症作用により、不快感が押さえられるのがありがたいからです。

そして、荒れている状態の肌は、健康な状態より細菌等に弱いので、殺菌力があるのも、多少回復には役立ってくれるのでしょう。

使用

強く押せばへこむ固さのソフトソープです。固形石鹸と液体石鹸を撹拌して製造しているようです。まれに、固形石鹸分の小さな塊が入っていることがあります。

ソフトソープですので、上部にお湯を張り柔らかくする必要はまずないでしょう。使い始めの時期は多少多めのお湯をブラシに含ませ、ローディングすれば良いかと思います。

どのソープにもいえますが、連用しているとソープ自身が水分を含み、それが蒸発する間がなく、段々と柔らかくなります。ロード時間がその分短くなります。ソープの状態を確認しながら、ロード時間は調整しましょう。

製造ロットにより、ソープ上面の形が異なります。最近はちょっと凹ませているようです。凸凹であったり、凹みがあったりしても、誰かが使用したわけでありません。

購入

どのショップや、Amazon.comでも取り扱いのある定番商品です。購入先に困ることはありません。

値段は輸送のコストがかかるため、アメリカやカナダでは10ドル程度です。ヨーロッパではだいたい5ユーロですが、日本へは送料が高くなるため、合計するとアメリカで購入するより高くなることが多いようです。ですから生産国のイタリア輸入がが一番安いのですが、送料がとても高くなり、結局アメリカから輸入するほうが安くなります。送料を入れると日本円で1500円程度になります。

外国から輸入するのが苦手な方は、日本のアマゾンで探し、値段が1500円程度であれば、適正な値段ですので、そのショップから購入しても良いでしょう。それより安い場合は、容量を確認しましょう。まれに、売れ残りなのかより値段を下げていることもあります。(ちなみに、日本で販売する場合は化粧品製造・販売の認可が必要になります。常駐の薬剤師を雇う必要があるなど、コストがかかります。まっとうな店であれば1000円での販売は商売としてきついかと思います。多分、海外ショップか個人が認可無しで販売しているのだと思われます。海外ショップの場合は、届くまで日数がかかります。)

容量が少ない製品がより安く販売されていることもあります。通常品は150mlです。eBayではトラベル用の小さい容量のソープも販売されていますので、気をつけましょう。

クリームには床屋さん向けの500ml入り大型チューブがあります。通常品の約4倍で、値段は6割くらいです。クリーム派で常用を考えている人は、床屋さん向け商品を購入するのが良いでしょう。

まあ、安ければたっぷりとお湯を含ませたブラシでローディングし、超たっぷりの泡を立てて豪快にシェービングできるんですけどねえ。もともと、そうした使い方想定の製品ですからね。

いつか自由貿易、規制緩和が実現されたら、日本にも安く輸入し、超たっぷりの泡でシェービングを楽しもうと思っています。


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