根掘りの感覚を味わうヤングT

貝印の使い捨てカミソリ、ヤングTの紹介です。肉厚のステンレスを使った、一枚片刃のカミソリです。

久しぶりにアマゾンのアフェリエイトを張ります。こちらの商品へレビューを書いたので、まず紹介します。

これで、全国民の皆さんがここを通して購入してくれれば、「田園調布に家が建つ」のですが、残念ながら最安値ではありません。

お近くに100円ショップのダイソーがあれば、「ヒゲの濃い方用2本入り、厚刃カミソリ」として販売されてます。そちらのほうが一本あたりの単価が安いです。

値段的には、こちらの6本入りのほうがお得です。送料を入れると微妙です。

また、ダイソーがなくても、ドラッグストアで取り扱いがある店もあります。どうしても必要な商品ではないでしょうから、興味のある方は、何かで立ち寄った際に売り場をチェックし、見つかったら購入すれば、良いでしょう。

刃の特徴

アマゾンのレビューにも一通り書いたのですが、このサイトではシェービングを扱っていますので、もう少し詳しく書いてみます。

この商品は片刃の一枚場の使い捨てカミソリです。

「ヒゲの濃い方用」とわざわざ書いてあるのは、カミソリの刃のステンレスが0.25ミリと肉厚だからです。通常、両刃の替刃は0.1ミリ程度の厚みですから、かなり厚めです。一般に、両刃よりも片刃のほうが肉厚です。(これが、片刃の替刃を愛用している人がいる理由です。剃り味が異なります。)

貝印では肉厚のステンレス替刃はカミソリ用として販売していません。清掃や塗装剥ぎなどに利用するスクレイパーの替刃には0.25ミリ厚の替刃があり、「カミソリのような」鋭さを謳っています。もしかしたら、ヤングTに使われている刃は、このスクレイパー用の替刃と同じものかもしれません。

切れ味はにぶ目です。鋭さはありません。ただし、刃先は整っており、スムーズです。決して荒々しくなく、優しい反り味です。

これは多分、刃の角度が両刃より鈍くなっていることと、切り刃のコーティングが関連しているのだと推測できます。貝印の場合、スムーズさを優先する商品はダブルコーティングにする代わりに、切れ味は鈍くなっていると、どこかで読んだ資料には説明されていました。

ホルダーとヘッド

ヘッドは固定です。ホルダーと一体で、プラスティックで形成されています。うまいこと重量バランスが取られていますので、T型安全カミソリに慣れている方であれば、簡単に取り扱えます。

とはいえ、金属ホルダーほどの重さはありません。軽いホルダーが苦手な方には向きません。

ヘッダーは刃先がやや奥まっているデザインになっており、少し押し付け気味にしないと、肌に密着しません。そのため、感覚的に一回目のシェービングではよく剃れる安全カミソリを使うときより2割増し、翌日の多少刃が鈍くなった2回目のシェービングと比較すると3割増しで肌に押し付ける感覚で使用しないと、上手く剃れません。

なぜ紹介したのか

この使い捨てカミソリを紹介しようと思ったのは理由があります。

床屋さんが替刃式カミソリになる前、鈍くなったら研いで使用する西洋カミソリ、和カミソリが使われていました。その時代、日本の床屋さんの多くは、「根堀り」と言われるテクニックが使われていました。

カミソリの刃を革砥でやや鈍らせて、カミソリをやや押し付けるようにゴリゴリとこすって剃る方法です。

カミソリの刃が荒れていると、出血しなくても痛くて地獄ですが、鈍くても整った刃であればさほど痛みを感じません。ゴリゴリとした感覚が気持ちよく、きれいに剃ってもらえました。

この根掘りを上手くやってもらったときの感触と、紹介しているヤングTの感触はとても似ています。そこで、「上手い床屋さんによる根堀の感覚」がどのようなものであったのかを根掘りで剃られたことのない若い皆さんに手軽に味わってもらえる方法として、紹介する気になりました。

片刃の替刃を使うホルダーは現在外国でしか生産されていませんし、そうしたホルダー自体も小ロット生産のため値段が高額です。日本では替刃がフェザーにより生産されているとはいえ、ホルダーが高いのですから、手軽に試してもらえません。このヤングTであれば、安く体験してもらえます。

コツ

根堀のコツは当サイトでも既に紹介していますが、再度ポイントを押さえておきましょう。

  • 事前に十分ヒゲに水分を含ませ、柔らかくしておきます。特に、にぶ目の刃で剃るため、重要です。
  • やや刃を押し付けるように肌へ押し付けます。少しづつ、押し付ける力を強くするように調整しましょう。(構造上、やや押し付けて剃る製品ですので、肌の弱い方は使用を避けましょう。)
  • 十分に水分を含んだ泡を使ってください。滑りも重要です。剃った後でも肌が湿っているのを感じられる程度の水分量で、滑りも良い泡を作ります。あまり一生懸命泡立てないのがコツです。ヨーグルト程度の硬さが最適です。(当サイトでは比較の対象にしていただくため、Prorasoシェービングクリームの緑を使った標準泡を紹介しています。標準はクリーム1グラムに対し、水10mlです。これを1:10と表記しますと、1:10から1:15くらいが良いかと思います。コツは泡立てすぎないことです。)
  • 特に仕上げのパスでは、肌の上でカミソリを動かす際は、肌に付けたまま前後に動かします。剃る方向のみ肌につけるのではなく、戻す方向のときも肌に付けたままにします。それにより、泡が再度肌の上に塗られます。
  • 肌はきちんと張りましょう。
  • ホルダーはやや立て気味にします。

仕上がり

ヒゲのタイプと濃さ、それとソープやクリームにより、合う合わないがありますので、必ずしもきれいに剃れないかもしれません。それでも、根掘りの剃り味は体験してもらえるでしょう。

また、カミソリ負けする人もいらっしゃるでしょう。昔も根掘りを上手く使う床屋さんにあたって、きれいに剃ってもらった場合でも、半分程度は軽いカミソリ負けになりました。だから、メンタムを塗っておいたりしたんじゃないのかと、今は思っています。

合わない人や肌の弱い人では、カミソリ負けになる可能性はあります。可能性があることをわかったうえで、試してください。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: