シェービングのウソホントの記事の中で、プレシェーブとしては普通の石鹸でゆっくりと洗顔するのが、一番効率的と書きました。では、プレシェーブ用品は不必要なのでしょうか。
(追記:ロンドンにあるブランドのシェービングクリームについても、情報を付加していましたが、ロットにより構成物が異なり、最新の製品と異なっているようでしたので、削除しました。クリームについては、機会を改めて記事にまとめたいと思います。)
基本的に髭を柔らかくするのは水です。プレシェーブ用品は髭に水を供給するために工夫されています。それを確認するため、いくつかプレシェーブ用品の構成物を調べて、どんな働きをしているのか見てみましょう。
クラッシックシェービングを始める方の中には、化学物質を使わずにシェービングができることを利点と考えている人もいます。私自身は、敏感肌ではないため、化学物質を毛嫌いしていません。製品の単価を下げるため、製品の品質の保持のためには、有効だろうと思っています。とはいえ、敏感肌の人にとっては、気持ちよく剃れるかどうかの一因ですので、どんな化学物質を使っているかも簡単に説明します。
なお、すべての構成物を紹介するわけではありません。特に香りの成分は省略しています。ほぼ全部の製品にエッセンシャルオイルが使われていると考えてください。
また、(変性)アルコール、油脂を分解してできるグリセリンと脂肪酸、芳香成分はこの記事では化学物質として取り扱いません。それ以外の保存、殺菌、品質保持、pH調整、界面活性剤など、工場で生産される際に目的を持って配合される人工物を化学物質と表記しています。突き詰めてしまえば、すべての物質が化学物質です。
基本的にクラッシックシェービングのために記事を書いていますので、以降で紹介する製品もクラッシックシェービングのための商品です。カートリッジ式のカミソリや電動シェーバー向きの製品ではありません。多分、カートリッジ式でも3枚刃までであれば、使えるでしょう。4枚刃以上になると、刃と刃と隙間が比較的大きいため、クラッシクシェービング向け製品では目詰まりしやすなります。
オイルのみの製品
Dermalure Pre-Shave Oil
Smoler Pre-Shave oil
The Art of Shaving Pre-Shave Oil
Taylor of Old Bond Street Pre-shave Oil
肌の皮脂の上にそのままオイルをすり込んでも、髭の軟化には役に立ちません。ですから上記の製品は、基本的に髭と肌を十分に水分で柔らかくした後に、肌の保護のために滑りを良くするためのものだと考えましょう。肌が弱い、つまり香料や特定の成分にアレルギーを起こす方は、代わりに単一の油で代用できます。
アロマテラピーで使用されるベースオイルから、適当なものを選びましょう。ホホバ油がサラッとしているので、使いやすいかと思います。値段は、よい製品であればプレシェーブオイルとやや安いか似たような値段です。日本ではアロマテラピー製品は競争がさほどないのか、値段が海外に比べ高めです。
構成物にはローズマリーの葉の抽出物も含まれているものが多いようです。具体的にどんなものかはわかりませんが、最初の製品の説明に全部オイルだと書かれているので、抽出物もオイルなのでしょう。この抽出物は、他の製品にも含まれています。
Art of Shavingのプレシェーブは無香料(多少香料は入っています)と何種類か香りのバリエーションがありますが、全てに水が含まれています。乳化剤とか界面活性剤とかは表示されていないようですので、この水分は香料に含まれている分かもしれません。(国によりラベル表示の規制は異なるため、詳細は分かりません。Art of Shavingの製造元はP&Gですので、なにか特別の方法でも使って水を混ぜているのかもしれません。)
オイル+重曹+クエン酸
使い方は、シャワー後など濡れた肌にコイン大のオイルを取り、肌に塗りこみます。オイルだけの製品と同じですね。基本はあらかじめ髭に水分を吸わせておいてから使用する製品です。
オイル+重曹は、手作りシェービングクリームとしてのレシピによく見かけます。油+アルカリで反応する分を石鹸にしています。通常、こうしたレシピに投入される重曹はわずかで、オイル全体を喧嘩させるだけのアルカリではありませんので、石鹸になっていないオイルが大半を占めます。そのため、泡立てずに剃ることができます。この製品も、ソープやクリームの泡を使わなくても剃れると説明されています。要はオイルシェーブするのと同じですね。
含まれているクエン酸の量が分かりませんので、クエン酸と重曹がどのような役割を担っているのか私では判断できません。クエン酸が入っていなければ、上記のように鹸化しているのだろうと想像できます。クエン酸がごく僅かであれば、アルカリ分を中和しているのだろうと思います。
重曹+クエン酸の役目が対してないとしても、オイル自身で滑りは良くなります。ソープやクリームをつかっても、よりもっちりとするでしょう。
オイル+乳化剤+化学物質もろもろ
Truefitt & Hill Ultimate Comfort Pre-Shave Oil
オイルだけでは髭は柔らかくなりません。どうにかして水分を髭に補給する必要があります。そのためには界面活性剤を入れる必要があります。水と油を結合させる乳化剤も界面活性剤の一種です。
ロンドンの3Tのハイエンドブランド、ツルゥフィット&ヒルでも完全に自然物オンリーの製品は提供していません。化粧品は各国で規制があり、一定の保存期間を保証しなくてはならないからです。
この製品はオイルに安全性の高い乳化剤を入れ、保湿やゲル化に使われる水溶性のアロエベラ抽出物を入れています。酸化防止のためにビタミンE、(日本では使えないのですが)食品にも使われる安定剤のTBHQ、界面活性剤のLaureth-4が入っています。
Fume Silica、フュームシリカも入っているのですが、これは化粧品でキラキラ光らせるために使われます。なぜ、プレシェーブオイルに含まれているのか分かりません。フュームシリカは極小のまん丸の物質で、工業目的では滑りを良くするために使われることがあります。そのため、滑りを更によくさせるために付加されているのかもしれません。
この製品を実際に使っている、ツルゥフィット&ヒルのシェービングビデオがあり、その中で肌に水分を与える前にこのオイルを塗ってからタオル蒸しを行い、髭を軟化しているのを見て、どうなっているのか不思議に思ったのが、製品の構成を調べるきっかけになりました。
ツルゥフィット&ヒルにはNo.10という低価格のラインナップがあります。明記されていませんが、名前から10代の若者向けのローコストシリーズかもしれません。
液体石鹸
EXECUTIVE SHAVING WATER SOLUBLE PRE SHAVE OIL
濡らした肌に、適量を塗りこんで使います。その後に軽く流してから、泡を付け剃り始めます。
同じページに組成が乗っています。Potassiumで始まっている3つが液体石鹸で、Potassiumに続く単語が原料の油を示しています。残りは香料です。
つまるところ、単なる液体石鹸です。顔を洗って、出直してこい!
石鹸+もろもろケミカル
肌を濡らしてからこのクリームを塗りこむよう、使用方法に説明されています。
プロラソのプレシェーブです。基本は石鹸です。それにキレート剤や防腐剤など入れたものです。三種類ありますが、ほとんど構成は同じです。濡らした肌にすり込めば、石鹸の作用で油が取れ、アルカリ性分がキューティクルを開きます。おまけにマッサージするので、水分が髭の中まで浸透しやすいわけです。
プロラソは大衆品の供給メーカーです。ほとんどの商品で、昔ながらの構成に化学薬品を付加することで安定させ、安く供給しているようです。(イタリア国内では製品は極安です。国外に出ると値段が上がりますが、それでも他のブランドより安くなっています。送料を考えると、アメリカから購入するのが良いでしょう。)
水+ゲル化剤+収斂成分
Taylor of Old Bond Street Herbal Pre-shave Gel
TOBSのハーバルプレシェーブジェルです。ハーバルというのはカミツレの香りが付いているからでしょう。プラスチック容器に入った、一風変わったプレシェーブジェルです。
要はジェルが油の代わりに滑りを良くするプレシェーブ剤ですが、説明を読むと「収斂させて太い髭もしっかりと剃る」と書かれています。皮膚を引き締め、髭を立て、剃りやすくするジェルらしいです。ゲル化剤は化学薬品です。
収れん作用は含まれている塩化マグネシウムと硝酸マグネシウムの作用によるものかと思いますが、両物質に毛穴や皮膚の収斂作用があるという情報は見つかりませんでした。塩化マグネシウムはにがりの成分で、にがりにそのような作用があるというのは、耳にしたことがありますが、具体的な根拠は見つけることができませんでした。
Taylor of Old Bond Street Jermyn Street Pre Shave Gel
TOBSはプレシェーブ剤へ、収斂作用のある物質を入れるのが好きなようです。収斂作用のあるハマメリスエキスが含まれています。こちらの商品のゲル化剤は天然のアロエベラを使っています。とはいえ天然物は安定しませんので、化学物質の粘度調整剤も入っています。
ほかに化学物質として、皮膚ダメージを回復するのに役立つアラントインも含まれています。他の化学物質はpH調整剤、乳化剤のPEG-40水添ヒマシ油です。植物由来の比較的安全な界面活性剤で、水と油分が混ざるようにしています。皮脂を水分となじませ、髭に水分を届けるために加えられているのでしょう。日本では化粧品への使用が禁止されているイミダゾリジニル尿素が防腐剤として配合されています。
TOBSのJermyn Streetは、香りはありますがアレルギーを起こしやすい香料をさけた香りです。この商品もカミツレを使っているようです。敏感肌向けの商品です。とはいえ、接触性皮膚炎の発生頻度が比較的高いイミダゾリジニル尿素が使われているので、皮膚の弱い人は購入を避けるほうがよいでしょう。この商品と同じ構成で、香りが異なるサンダルウッドとOld Bond Streetがあります。
水+アルコール+ゴム+保湿+コンデショナー成分+オイル
Geo F. Trumper Limes Skin Food
ゴムと言ってもトラガントゴムノキから取れるゴムで、アラビアゴムと同様の使い方をされます。増粘剤か乳化剤や安定剤として使っているのだと思います。
ロンドン3Tの中で、値段的には中間に位置しているトランパーにはプレシェーブ製品が用意されていません。Skinフードという名前から想像できると思いますが、このスキンコンディショナーがシェービングの前後に使える商品として用意されいます。
要は水分を与えられればよいわけです。水、アルコール、オイル、ゴムの他は全て化学薬品ですが、肌にすり込めば、髭にも水分が行き渡るわけです。アルコールを加えているのは肌のさっぱり感を出すためでしょうが、皮脂を溶かす作用もあります。
このコンディショナーには、他にもCoralとサンダルウッドが用意されています。
水+アルコール+界面活性剤
D. R. Harris Arlington Pre-Shave
ロンドンの3Tはプレシェーブに関して言えば、どれも値段が高い割には化学薬品を使っています。では、薬局を起源とする同じくロンドンにあるハリスのプレシェーブ製品はどうでしょうか。
水、アルコールに界面活性剤と殺菌剤としての働きがあるCTABが入っています。殺菌剤としてのCTABは品質を保持するために使用されているのでしょう。肌の殺菌のためではないと思います。オイルやジェルベースではなく、アルコールベースの製品です。化学薬品としてはCTABのみです。
アルコールは皮脂を溶かしますし、更に水と界面活性剤という、もう髭に給水する気満々の配合です。CTABは逆性石鹸ですので、製品としては弱酸性でしょう。
今回はプレシェーブ品を中心に、クラッシックシェービング向けの製品の一部を紹介しました。もちろん、他にもたくさん存在します。全部は調べられません。しかし、髭を柔らかくするのは、結局のところ髭に水分を届ける助けができれば良いことが、分かってもらえたのではないでしょうか。
石鹸洗顔の優位性
プレシェーブの一番の目的は、髭を柔らかくすることです。私の経験からすると、カミソリ負けの原因のほとんどは、髭が十分に柔らかくなっていないことにより生じています。(追記:私は記事を公開後にも、どんどん手を入れます。最初に公開したあと、校正しようと気になり、洗顔とフェイスラザーの時間を短くしてしまいました。その結果、2箇所しくじりました。髭を柔らかくし、カミソリ負けなしに剃る内容の記事のために、シェービングに失敗するという、まったく笑えない話になりました。)
髭は髪の毛と同じです。毛穴に近いところは、分泌された皮脂で覆われています。皮脂は水を弾きます。ですから、水をつけただけではなかなか柔らかくなりません。お湯で柔らかくなるので、お湯で洗顔すればある程度は取れますが、完全には無理です。バターの付いたナイフをぬるま湯に付けてチャポチャポゆすいだだけでは、ベタつきは取れないのと一緒です。
髭に水分を十分に行き渡すためには、油脂を完全に取りさるか、もしくは水と混じり合わせれば良いわけです。簡単なのは水と交じるようにする方法です。界面活性剤を使えばよいのです。石鹸も界面活性剤です。ですから、石鹸を使い、ゆっくりと洗顔するのが一番簡単でコストも安く、手間もかからない方法です。
しかも、いろいろな成分が付加されている高級な石鹸でなく、普通の洗顔石鹸や風呂用の石鹸を使えば、通常pHは10.5程度の弱アルカリ性です。髭を柔らかくするには中心部まで給水させる必要があります。表面にはキューティクルがあり、これが閉じていると染み込みづらいのですが、弱アルカリ性の石鹸により開くため、より早く水分が吸収されます。さらに、髭を洗う時の物理的な刺激が、吸水を促進します。一石二鳥、三鳥なのです。
プレシェーブ製品
プレシェービング製品に限らず、クリームやソープも、保湿剤でも、もっと単価の安い製品に置き換えることができます。しかし、シェービングにはいろいろな楽しみもあります。
たとえば香りです。良い香りのする、使い心地のより製品を使うとゴージャスな気持ちになります。「やる気」を出したり、朝のスイッチを入れるためには気分も重要なのです。香りを嗅ぎ分ける脳の部分は、感情を司る部分と近い位置にあります。香りは気分の切り替えに重要なのです。
つまり、専用のシェービング用品を利用することには、コスト以上の価値もあります。ですから、金銭的に余裕があれば、使用したい製品を使い、気分を上げましょう。
この記事を書いた最初の動機は、石鹸洗顔で髭を柔らかくする方法を覚えてもらうことで、カミソリ負けに悩んでいるシェービング初心者にヒントにしてもらうことです。もう一つの理由は、構成している成分を説明することで、製品の使い方のポイントを理解してもらうためです。
オイルだけで構成されている製品の場合、それ自身では髭を柔らかくできません。使用する前に、シャワーを浴びるなどしてあらかじめ柔らかくしておくことが推奨されていることが多いのはそのためです。オイルだけですので、実際に髭を剃るときに滑りが良くなるように、皮膚の上に油膜を作っておくために使います。
オイルと界面活性剤や乳化剤が入っている製品は皮脂になじませることで、水分を髭まで通しやすくします。あらかじめ水分で湿らせておいても、後ほどタオルで蒸す場合でも、水分を髭に運んでくれます。界面活性剤のおかげです。
ホームセンターやスーパーで一番手に入りやすい、主流のプレシェーブジェルは、ゲル化剤に水分と、保湿剤、界面活性剤です。水分がたっぷりなので、塗っておけば柔らかくなりますが、水分にお金を払っているようなものですね。
あと、液体石鹸タイプは…これは普通の石鹸で顔洗った方がよいでしょう。わざわざ本来の値段より高い金を出して液体石鹸を買う必要ありません。
おすすめの方法
もちろん、お風呂に入った時やシャワーのついでに剃る方は、髭が十分に柔らかくなっているでしょうから、プリシェーブの手順は多分いらないでしょう。皮膚が弱ければ、オイルを塗れば、よりスムーズに剃れると思いますが、滑りますので十分に気をつけましょう。
以下の方法は、主に朝に剃る場合に私がおすすめする方法です。もちろん絶対的な方法ではありません。上手く剃れなくて悩んでいる方へのヒントです。
- 髭を柔らかくするために、石鹸で洗顔してください。剃る部分だけでOKです。普通の石鹸でゆっくりと洗い、ゆっくりと流してください。(3分以上かけることを推奨します。)これでだいぶ柔らかくなります。
- 続いて、シェービングソープならばブラシにロードし、クリームであれば直接顔に塗り、ブラシを使って泡立てます。ここでも時間を少々かけてじっくりと泡立てます。その間にも、アルカリ性分と泡の水分により、髭が柔らかくなります。ブラシの先端で髭を洗うようにしてください。物理的な力も髭の吸水を促進します。
洗顔時の石鹸は薄めに溶かしたほうが良いでしょう。つまるところ、顔の皮脂を落とすのが目的ではなく、髭に水分を染み込ませ、柔らかくしたいわけです。皮脂の油が石鹸とまじり、髭に水分を供給しやすくなれば良いのです。本来必要なのは水分で、石鹸ではありません。ですから水分たっぷりな薄い石鹸水で剃る髭の周辺を洗いましょう。
ブラシにクリームを塗るよりは、髭の濃い部分、硬い部分に直接塗りこんだほうが、多少なりともクリームのアルカリ性分が濃いままで影響するでしょう。大差はないかと思いますが、理論的に最大の効果を狙うのであれば、顔に直接クリームを塗りましょう。ソープの場合は細かい調整は難しいですが、スティックのように直接肌に付け、その際に硬い部分中心に塗りつけるか、ブラシに取った際に、最初に硬い部分から泡立て始めるとかの工夫はできます。まあ、正直大して変わらないかと思います。(追記:意見を変えました。直接髭の濃い部分に塗ると、水分を取ってしまい、固くなることに気が付きました。ソープであれば初めは髭の柔らかい頬で泡立て、水分を含んだ泡ができてから硬い部分へ塗り広げましょう。クリームは肌に直接付けるより、一度ブラシへ付けてから、ソープと同様に使用するほうが良いかと思います。)
肌の弱い方は次の方法で髭を柔らかくするのがよいかと思います。
- 石鹸で洗いましょう。普通の弱アルカリ性の石鹸で問題がなければ、それで洗顔してください。普通の石鹸で皮膚に問題がある人は、いつも使っている洗顔石鹸を使いましょう。ゆっくり洗いながしながら、ヌルヌルする石鹸を落としつつマッサージしましょう。物理的に水分となじませれば、その分水分が髭に届きますので、より柔らかくなります。
- オイルだけを含んだプレシェーブオイルか、適当なオイルを少々塗ってください。
- 顔で直接泡立てるフェイスラザーは行わず、手やボウルで泡立ててください。フェイスラザーをしてしまえば、せっかく肌の保護のために塗ったオイルの意味が薄れます。他で泡立て、泡を剃る場所へ塗ってください。
肌の弱い方は、丈夫な人間が大丈夫な物質でもダメなことがあるでしょうから、オイルだけの製品か純粋なオイルを、より潤滑させるために使えばよいかと思います。その分、洗顔に重点と時間をかけ、ゆっくりと水分を吸わせ、柔らかくしましょう。
フェイスラザーをするほうが泡を塗るだけより、物理的な力が多少なりとも髭に対し、よりかかりますので、柔らかくするために有効です。ただ、オイルを塗った後で泡立てれば、保護しているオイルはほぼ取れてしまいます。その分、泡にオイルが含まれるため、全体的に泡がもっちりとしますので意味がまったくないわけではありませんが、それならブラシにでもオイルをたらせば良いわけで、わざわざ事前に肌の保護のために顔に直接塗る手間の意味は無くなります。
髭が薄い人で、肌が弱くなければ、石鹸を使わずお湯で洗顔後、じっくりとフェイスラザーするだけで十分でしょう。道具も少なく済み、ブラシの感触と泡立てる手間を楽しんでいるうちに、柔らかくなります。
自分で顔を剃るのであれば、柔らかくするという点では、タオル蒸しは手間がかかる割には、石鹸による洗顔より効率が落ちます。もちろん、気持ちよさを味わうという点では、タオルで蒸すほうに分があります。電子レンジでタオルを蒸すなら、その時間で顔を石鹸洗顔しておくと、ダブル効果でより柔らかくなりますよ。(私の場合は石鹸洗顔、タオル蒸し、フェイスラザーを行うと、実際に入浴時に剃る場合と同じくらいまで、剃りやすくなります。)
どんな方法をとっても剃り終えたら、季節に合わせたアフターシェーブの手間をかけてください。保湿がキーポイントです。肌は保湿しておくとダメージの回復が早まります。次のシェービングまでに肌を回復させ、快適なシェービングを続けましょう。
日本の夏は高温多湿ですので、冷房に長時間当たらなければ、さほど気にすることはないかと思います。冷房の聞いた場所で長時間過ごす方は、保湿が必要ですよね。冬は太平洋側はからっ風で乾燥しやすいですし、日本海側で湿気が多くても暖房により乾燥します。そのため、保湿は必須でしょう。