レビュー、Taylor of Old Bond Streetシェービングクリーム(サンダルウッド)

アメリカのアマゾンで、シェービングクリームのベストセラーNo.1を続けている、Taylor of Old Bond Streetのシェービングクリーム(サンダルウッドの香り)のレビューです。

西暦1854年創業です。もともとはTaylorさんがロンドンのOld Bond通りに開いたサロンでした。ブランド名のTaylor of Old Bond Streetは「オールドボンド通りのティラー」という意味です。その後、Old Bond通りから100メートルほど離れたJermyn(ジャーミン)通りに、現在も続く高級シェービング用品の販売店を開いています。商品に付けられている香りの一つ、「Jermyn Street」は、この通りの名前です。

日本のTV番組、モヤモヤさま〜ず2で取材されたことがありました。リンク先24分あたりからです。

イギリスにはこうした古くから存在する、有名なシェービング用品ブランドがいくつかあります。その中でも、このイギリスのTOBSがアメリカのアマゾンで人気なのは「ハイクオリティーで値段が安い」ためでしょう。

実店舗がTOBSのすぐそばにあるDr Harrisや、Trufitt&Hillも輸出や通販で展開していますが、TOBSほど人気があるように見えません。この二つは「王室御用達」で、その分の値段が上乗せされているのだと思います。やはりTOBSの人気は値段の要素が大きいかと思います。TOBSはミドルクラス向けの値段設定かと思います。

サンダルウッドの香り

私が現在使っているのはシェービングクリームで、サンダルウッドです。TOBSはクリームに様々な香りの製品を用意しています。その中でも一番人気なのが、このサンダルウッドです。和名は白檀、一般的なお線香の匂いとして有名です。

現在では値段の高い線香でない限り、本物の白檀は使っていません。私が子供の頃、多分30から40年前頃にテレビのニュースや新聞で、白檀の入手が困難になりつつある、普及品は人工香料へ変更せざるを得ないと報道されていたのをうっすらと覚えています。

人工の白檀香と天然の白檀では匂いが異なります。また、産地によっても香りが異なります。ですから、同じ香りではありません。エスキモーには雪を表す言葉が52あると言います。言葉ごとにそれを表す概念やイメージがあり、彼らは違いを識別できるわけです。香りに関しても似ており、「線香の香り」という概念しか持っていない人に取って、この製品の匂いは線香なのでしょう。しかし、実際はより複雑で甘い香りです。

現在50歳以上の方であれば、覚えている人もいるでしょうが、昭和50年代頃から日本では柑橘系の香りが流行り始めました。床屋さんもこの流れに沿って、いわゆる「床屋の匂い」ががらっと変更になったのを覚えています。この香りは柑橘系の香料が流行る前の床屋の匂いです。(子供の鼻には、独特の香りでした。あまりよい印象は残っていません。)

この製品の匂いをどう説明しようと考えていたところ、小中学校への通学時に前を通る床屋さんの香りが変わったことを思い出しました。その床屋さんでは2回ほどお店の香りが変わりました。当時は不思議な出来事でした。いちばん最初の「床屋さん」の匂いが、このサンダルウッドの香りでした。

サンダルウッドに花の香りを入れており、心地良い香りです。一週間使ってみれば、香りのイメージが「線香」から「シェービングクリーム」の香りに変わります。「安い線香」と「シェービングクリーム」との違いを脳が認識し始めてくれます。

このクリームは最初に容器を開けた時に一番強く香ります。香りに慣れたため段々と感じなくなったのかと思いましたが、新しい容器を開けるとやはり強く臭います。芳香成分は揮発していきますので、生産されてから初めて開けるまでの間に容器内の空間に溜まっていた香りが一気に放出され、最初に蓋を開けた時が一番強く香るようです。

最初の一発が強力だからといって、強力な香りがずっと続くわけではありません。製品自体は爽やかに香る程度です。強い香りは持続するものなので、気になる方は一番最初に蓋を開けるときは、閉鎖された室内でなく、風通りのよい所で行うと良いでしょう。

容器

製品自体は、特に厳重にパッケージされること無く、プラスチックの容器に入っているだけです。箱に入っているとか、余計なパッケージはありません。プラスチックの容器にクリームを入れ、蓋を閉めてあるだけです。ポリプロピレン製の内蓋もありますが乗っけてあるだけですし、時々蓋にピッタリとひっついて取れなくなります。

容器自体はとても厚く作られていますので、光は通しません。製品の変色を防ぐ上で、大切な点です。こうしたシェービング用品は売れない場合、店頭で何年も置かれることがあるでしょうから、変質を防ぐためにこのように遮光性の高い容器が必要です。

蓋上部は、ブランドロゴや香りの種類が印刷されたフィルムが貼り付けられています。容器の底には原料と簡単な使い方、バーコードが印刷されたフィルムが張られています。容器や印刷の品質は、私達が普段目にする日本製品や日本企業が監修している物が群を抜いて高品質ですので、そうした商品に囲まれている私達日本人から見れば、少しだけレベルが低いように感じます。

原料

ラベルに書かれている原料をリストしてみます。

水・ステアリン酸・ミリスチン酸・水酸化カリウム・やし脂肪酸・グリセリン・トリエタノールアミン・水酸化ナトリウム・香料

ステアリン酸とミリスチン酸、やし脂肪酸は脂肪酸です。それを水酸化カリウムと水酸化ナトリウムで中和し、クリーム状の石鹸にしているようです。ヤシ脂肪酸の製品はアルカリが強すぎるので、中和剤のトリエタノールアミンで肌へ強すぎぬようにpHを下げているのでしょう。シンプルな配合です。

数年ごとに原料は多少変更されるようです。たぶん、原材料の入手性や規制の変化によるのでしょう。

香料は更に細かく、成分が記述されています。

リナロール・ゲラニオール・サルチル酸ベンジル・シトロネロール・オイゲノール・安息香酸ベンジル・ケイ皮酸ベンジル・エベルニアフルフラセアエキス・ツノマタゴケエキス・リモネン・クマリン

これらは香り成分のうち、EUの化粧品で表示する義務のある成分です。リストされている成分中にはサンダルウッド自体の香り成分がありませんので、これ以外の芳香成分も含まれていることでしょう。

TOBSのホームページでは「天然物からの抽出物を適切に使った」製品を製造していると書かれていますので、多分香料は天然物だと思います。(メールで問い合わせましたが、私の英語力の問題もあり、返事は返ってきませんでした。)

シェービングが終わったあとに洗い流せば、香りは2時間ほどわずかに持続します。他の香りのクリームに比べ、製品に強い香りが付いています。たぶん、剃り終わった後に男性的な香りを少々持続させる目的だからでしょう。しかし、他に香り立つものを利用するにしても、混ざって邪魔になるほどの強さではありません。

使い勝手

泡立ちや持続性については、問題ありません。高品質な泡がシェービングブラシで簡単に作れます。(実のところ、泡立てずに使っても優秀です。)米アマゾンへコメントしている多くの人の評価通りに最高です。浴室で父親のひげを剃る場合は柔らかく、自分の髭を朝剃る時には硬めに泡立てますが、調整しながら泡立てるのも簡単です。

特に朝に髭を剃る場合は、少々水分を多めに泡立てたほうが、剃りやすいかと思います。水分を少なめに泡立てると多少ひっつく感じがあります。水分を若干多めにするとスムーズです。(もちろん、水分が多くても、少なくても、泡立てづらいものですが、泡立てやすい水分量の範囲の中でも、多めを狙って泡立てましょう。)剃る時に、やや粘度を感じて剃りづらい時は、カミソリの水分を全部振り落とさず、少々残しておくとうまく剃れますよ。

追記:感覚的に覚えやすいのは、一番滑りが良くなるように、水分を加える方法でしょう。どちらかと言えば、クッション性(粘り気)よりも、滑りで剃るタイプの製品です。

追記:考えを変えました。このクリームを一番活かすには、最高に滑るように水分を加えるほうが良いでしょう。水分多め、少なめと調整して使用するより、一番滑りの良い状態で使用するのが、剃りやすく、かつ剃り心地よく、カミソリ負けもしません。

Youtubeで公開されている多くのビデオでは最初に硬めに泡立て、段々と水分を何度も加えて、目的の泡を作るものが多いです。マイクロバブルが発生し、それがクッションとなり、皮膚を守ってくれると信じられています。

しかし、マイクロバブルは忘れてかまわないでしょう。シェービングにはジェル製品も存在し、滑りの良さが皮膚を守ります。どの程度効果のあるかわからないマイクロバブルを気にするよりは、ソープの粘りと潤滑性という、相反する要素が肌を保護してくれることは経験をつめば実感できますので、見えない泡について気にすることはありません。

特定の製品をしばらく使用し、慣れてくると目的の水分量が感覚でわかってきますので、最初から目的の水分量を入れておき、後から多少修正するようにすれば、一分もかからず、望みの泡ができます。ボールで泡立てた泡を塗る方法を取るときは、この方法が時間短縮になります。

少しずつ水を加える場合、ブラシ全体で均一な濃度の泡を作るよりは、ブラシの中に濃い部分を保ったままにする方法もあります。2パス、3パス目でフェイスラザーを行い、厚い泡を作るテクニックです。もしくは、小さいブラシで3パス以上の泡を保持する方法です。

私は2パス、3パスと段々「薄い」泡を使うのを好みます。添え手をして肌を張り、追い込むので、剃る部分が見えるほうが安心して剃れるからです。

ビデオではいろいろな人が泡立て方を説明していますが、大抵は経験が浅い人です。参考にするのは良いですが、全部を真に受けないほうが良いでしょう。さらに、外人は日本人より比較的不器用なことを思い出しましょう。日本人の猿マネ根性ではなく、器用さを発揮しましょう。創意工夫は日本人の得意な面です。

油っぽい、柔らかいクリーム状です。硬めにホイップしたケーキの上の生クリームのような感覚です。乾燥した大豆ぐらいの量で3パスぴったり程度の泡ができます。少し余裕があったほうが、剃り残しがあった場合の追加パスに対応できるので、私は一回あたり大豆より少々多めに指でボウルに入れます。(いわゆるアーモンド一個分です)

TOBS自身はYoutubeに一つだけ公式ビデオを上げており、その中に出演しているマネージャーの方が自分の使い方を尋ねられ、「クリームをブラシで取っている」と答えています。(前述のさまーずの番組でも紹介されています。)

ただし、ブラシから水気は十分に落としておいたほうが良いでしょう。クリームは水分を吸うと一層柔らかくなります。別の人がブラシで直接ロードし(ブラシにソープやクリームを取ること)、水分でどろどろになっているクリームの状態を見せているビデオをYoutubeで観ましたが、いくら自分だけで使うものとは言え、気持ちが良いものではありません。

もちろんソープを使う場合は、ブラシを入れ、ソープを溶かすためにごちょごちょとする必要があります。しかしクリームは、その名の通りクリーム状ですから、ブラシをこすりつける必要は、通常ありません。(ブランドや製品の性質、ロットにより、硬めのものはあります。)推測するにソープの使い方をビデオで見て、クリームでも容器の中で泡立てるのが正解と勘違いした人が広めたか、もしくは滑るため、指でクリームを取らない人のやり方が、乱暴に広まっているのかと思います。どんな方法も正解ではなく、長所と短所があるのです。

通常石鹸は腐るものではありませんし、クリーム状の石鹸には初めから多少水分が含まれています。しかし、水分を含むほど雑菌などが繁殖しやすくなります。必要以上の水分が含まれると、劣化が進みます。この製品には殺菌剤や品質保持剤などは入っていません。(ロットや製品により異なります。殺菌剤が含まれている配合のクリームがあるかもしれません。)水分が入らぬように指で取るほうが、最後まで気持よく使えるでしょうし、また安全です。

TOBSがショップでブラシでクリームを取っているのは、彼らは仕事として行っており、指先を濡らさないほうが仕事が早く進められるからです。さらに、たとえブラシに存在する細菌等がクリームに水分と一緒に入ったとしても、一日に何人分もの髭を剃るわけです。容器一つは半月立たないうちになくなるでしょう。つまり、品質が劣化する前に使い終えるでしょう。

指先は無菌ではありませんが、それは通常ブラシも同様です。(毎回完全に乾燥させない限り、ブラシのほうが細菌が多いでしょう。しかし、ブラシを根本まで毎回完全に乾燥させないでください。工業化されたブラシは根本を樹脂で固めています。ブラシの毛が天然毛であれば、水分を吸えば膨張し、乾燥すれば収縮します。膨張、収縮を繰り返せば硬い樹脂であろうとも、少しずつ崩壊が進みますので、壊れやすくなります。ブラシ収集家で無ければ、同じブラシを壊れるまで連用するか、数本をローティションで使うのが実用的かと思います。数日に一回使えば、直射日光や熱風で乾燥させない限り、根本までカラカラに乾くことはまずないでしょう。)

衛生面を第一に考えるのであれば、人工毛が一番よいでしょう。完全に乾燥させることもできますし、消毒薬に付けても傷みづらいです。

どうしても直接ブラシでクリームを取りたい方は、クリームの容器を横にし、ブラシで取る方法があります。水分を含んだブラシに力が入ると、ブラシが保持していた水分は、重力で下に落ちます。容器の上部を上にし、ブラシを上から突っ込み力を加えれば、水分は下に落ちて、容器の中へ流れます。容器を横にして、横からブラシを入れれば、ブラシの水分は容器の中へさほど入りません。

入手

日本のアマゾンでも購入できますが、値段がぼったくり価格です。米アマゾンから購入すれば送料を入れて15ドルで購入でき、約10日間で手元に届きます。米アマゾンでも値段がいろいろありますので、価格と送料・手数料が一番安いところから入手すると良いでしょう。

ポッド(プラスチック容器)入りのクリームをまとめて購入する場合は現在2016年3月のレートで、4個までなら米アマゾンが安いですが、それ以上の購入の場合はTOBSのサイトから直接購入し、イギリスから送ってもらうほうが安く付きます。ただし、米アマゾンの手数料・送料には関税分も入っていますが、TOBSのサイトから個人輸入する場合は、関税5%をかけられる可能性があります。(確か個人輸入で関税をかけられない上限の値段が1万6千円だったとおもいますが、うるおぼえです。WTO加盟国から購入する場合、化粧品(扱い)の製品へ関税はかからないはずです。それ以外の国から購入する場合は、課税の対象になります。)

いずれにせよ個人輸入で化粧品扱いの製品は、通常サイズのもので最大24個までです。購入したものは転売したり、他の人に譲ることはできません。TOBSの場合、トラベルサイズで半分くらいの大きさのクリームも販売しています。ただし、香りは代表的なもののみで、割高です。詳しくはTOBSのサイトでチェックしてください。(実際に旅行にいく時は、自分で小分け容器に入れるほうが良いでしょう。)

ある程度、検索数があるようでしたら、別の製品についてもレビューを書こうかと思います。(追記:ローズについても書きました。)

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