カミソリ負けを防ぐ

以前の記事中にも含めましたが、基本的なことをまとめておきます。基本的に髭剃り向きに書きますが、夏ですし女性のムダ毛剃りにも参考になるでしょう。

軟化させる

硬いまま剃るとカミソリに余計な力をかけることになります。ですから、剃る前に髭や毛を柔らかくしておくのが基本です。

理想的には入浴やシャワーで体の汚れを落とした後に剃ると、皮膚の表面も清潔で平滑になり、髭や毛も柔らかくなっているので楽に剃れます。

男性が朝に髭だけ剃る場合は、ぬるま湯を使い、普通の石鹸で洗顔しましょう。全体で(お湯だけの洗顔、石鹸を付けてゆっくりと洗う、石鹸を流すまで)時間を3分以上かけましょう。普通の石鹸とはpH調整をしていないものを指しています。pH9.5から10.5程度のアルカリ性の石鹸です。通常の無添加石鹸はこの範囲内です。迷った時には無添加石鹸を選んでください。

肌の汚れを落とし、アルカリにより皮脂を落としつつ水分が皮脂を通りやすくなり、キューティクルを開き、髭の中心まで水分が届く手伝いをしてくれます。

この方法はもともとは自分の経験から、おすすめしていました。最近アメリカのジレットで「3分以上の洗顔」が勧められているのを見つけました。

その際、研究データを紹介しているPDFも見つけたのですが、ブックマークを誤って消してしまったため、現在見つけられません。その資料には、2分で柔らかくなるグラフが紹介されていました。

ただ、白人は髭が細く柔らかく、黒人は濃く太い、私達黄色人種はその中間です。この手の資料はもとにした人種まで記載されていませんし、サイトで3分以上が推奨されていることを考えると、白人中心の調査だったのではないかと思います。

髭の濃い方は、洗顔後にタオル蒸しを行うと、一層柔らかくなりますが、その分洗顔を長くしたほうが、同じ効果があり、より手軽だと私は思います。

プレシェーブ剤は柔らかくなってから

どの種類のプレシェーブ品でも、髭や毛を水分で柔らかくした後に使うのが基本です。製品に「柔らかくする」と書かれていてもです。

基本的に柔らかくするのは、染みこんだ水分です。製品に含まれている水分が吸収されることで柔らかくするので、洗顔で柔らかくなるのであれば、プレシェーブは必要ありません。

また、「滑りを良くする」ことでも、「柔らかく」なったように感じさせることができます。そのために油分や潤滑成分が含まれているものもあります。

必ず水分を付けて剃る

油を使って剃る、オイルシェーブを行わない限り、水分がない部分を剃らないようにしましょう。

通常、缶入りのフォームを使うか、シェービングソープやクリームを泡立てるか、石鹸やボディーソープを付けて剃ります。一回剃ると、それらの成分は肌に薄く残る程度になります。湿気のある浴室であればともかく、通常はすぐに体温で水分が飛んでしまいます。

水分が飛ぶと、滑りの良さが無くなります。逆に粘るようになります。その状態で剃ると肌に負担がかかります。

実際、私も含め皆さんも経験からわかっていることです。しかし、面倒なのでついやっちゃうのです。そして、痛い目にあいます。

肌に成分が残っているなら、お湯だけでも付けましょう。理想的には再度皮膚を濡らし直し、泡や石鹸なりボディソープなりを付け直しましょう。髭剃りの場合、ちょっとした箇所であれば、髭剃りに付いている泡を付け直して、剃る方法もよく行われます。

特にカミソリ負けしやすいと思っている人は、剃る箇所に水分を付け直してから、泡や石鹸、ボディーソープを付けてください。滑りを良くしておきましょう。滑りが良すぎて剃りづらい場合でも、十分に水分なり、泡なりを付けた状態にしておき、直前に剃る部分だけ軽くこすり、適切な滑りへ調整します。

男性の髭の場合、顎と鼻の下は最後に剃るのが効率的です。髭が硬いため、泡を付けておく時間の分だけ、更に柔らかくなるからです。比較的柔らかいもみあげの下や頬を先に剃ります。

薄めの泡が好きな方も、最初のパスは厚めにしておきましょう。厚めの泡は水分が飛ばないようにするために有効です。硬い部分を剃るまでに、乾いてしまってはしかたありません。

髭を剃る場合、髭が覆われる程度の厚みが理想的という情報もありますが、乾燥した場所ではそれでは薄すぎ、数分後には水分が蒸発し、滑るどころか粘り出します。

潤滑させる

シェービングフォーム、ソープやクリームの泡、普通の石鹸やボディシャンプ、髪の毛のシャンプー、コンディショナーなど滑りの良いものを剃る場所へ塗り、剃りましょう。

滑りやすくして剃るのには利点が多いです。一番の利点はカミソリの刃により肌への負担を和らげることです。逆に唯一の欠点は、滑り過ぎるとカミソリのコントロールが難しいことでしょう。

少しずつ剃る

毛には流れがあります。まだらなムダ毛であれば逆に剃れば一発できれいに剃れるでしょう。しかし、毛により皮膚が引っ張られ、余計に皮膚が削られてしまいがちです。男性の髭は特に密集していますので、伸びている時の逆剃りは厳禁です。

基本的に、剃る回数が増えるほど肌への負担は大きくなります。しかし、一回で片付いても皮膚を大きく痛めてしまうのでは意味がありません。

ある程度伸びている場合は、順剃りからはじめます。毛の生えている方向へ剃り、まず伸びている分を短くします。次に必要に応じて横剃り、逆剃りを行います。

角度に気をつける

男性の場合、頬は問題なく剃れても、顎や鼻の下、首の下にカミソリ負けを起こしがちです。そうした箇所は曲面になっており、顔の曲面を剃る時のカミソリの角度が、理想的な角度より大きくなっているのが原因です。

もう一つの原因は、曲面であるがゆえカミソリの刃の一部しか肌に当たらず、あたる刃が小さいぶんだけ、圧力がかかるからです。力を抜いて剃るのは難しいため、以降で説明するように、十分に潤滑させ、ゆっくりと剃ってください。

皮膚を伸ばす

これは若い人ほど重要性が低く、歳を取るほど高くなります。

若いうちは皮膚の張りがしっかりとしています。ですから、たとえば頬を剃る場合でも軽く膨らめせれば、逆剃りでも簡単に剃れます。

ところが歳を取るにつれ、皮膚の張りが落ちてきます。軽く膨らませれば大丈夫だったのが、より強くふくらませないときれいに剃れなくなります。最後は指で張りながら剃る必要が起きます。

長く生きている限り同じ経験をします。今は大丈夫でも、剃りづらくなったらこのポイントを思い出してください。老化ではなく、「持続的成長」と呼びましょう。

もちろん、個人差がありますので、若くても張らないときれいに剃れない人はいらっしゃいます。ちょっと添え手をするだけでなく、きちんと引っ張り、できるだけ「平面」になるように工夫しましょう。

たとえば、人差し指と中指で皮膚を広げるようにすれば、その間の皮膚は平面的にぴっしりと張れます。

それぞれの安全カミソリは当てることで皮膚が凹み、その凹みも計算して刃の角度などが計算されています。張りが緩いということは理想的な凹み具合より深くなります。きれい剃れないため、余計に力を入れると更に剃りづらくなります。逆に軽く当てるのが正解ですが、ある程度重量のあるカミソリを肌に軽く当てながら剃るのはコントロールが難しくなります。

そのため、皮膚を張るテクニックを多用しながら、コントロールしやすい圧力をかけながら剃るほうが簡単で安全です。

女性の腕や脇の下のお手入れでは難しいですね。

ゆっくりと剃る

特に曲面を逆反りする場合にカミソリ負けを起こしやすいのですが、ゆっくりと剃りましょう。

私の経験からアドバイスすると、泡なり石鹸なりジェルなり滑るものがあり、十分に水分もあり、角度があっていれば、いつもより多少力が入っていてもゆっくりと剃ると、カミソリ負けしません。もちろん、ゴリゴリに力を入れるのはダメです。

剃り終わったら保湿

多くの人が信じているので、先に謝っておきますが、剃る際に利用する製品の保湿成分は、剃っている時点では、カミソリ負けの予防には余り役に立ちません。また、剃った後の保湿にもほとんど役立ちません。

理由は、通常剃り終わった後にきれいに洗い流すものであるからです。もし、保湿成分が肌に残ってしまうとしたら、洗いが不完全です。

とは言え、ボディーソープやコンディショナーに含まれているコンディショナーの保湿成分は、肌に残るように設計されているので、完全に落とすのは困難です。そうした成分は通常の肌では刺激になりづらいでしょうが、シェービングした後の肌では負担になるかもしれません。

石鹸の場合、グリセリンが保湿成分として取り上げられることが多いですが、水溶性ですので洗えば流れてしまいます。説明すると長くなりますが、石鹸を軽く洗い流した後に残るつるつるした感じは、1.残っている皮脂がアルカリで鹸化された、2.石鹸の脂肪酸が皮脂の代わりに皮膚を覆っている、3.皮脂に石鹸の成分が残っている状態です。グリセリンによるものではありません。1から3もお湯でしばらく流せば、落ちる分は取れてしまいます。

実際には、その際にいわゆる石鹸カスが表面に残り、つるつる感じなくなります。石鹸カスは水に含まれている金属成分により発生しますので、軟水化装置などでそれらを取り除いたお湯で洗い流すと、いつまで洗っても皮脂や脂肪酸により、つるつるのままです。

石鹸の場合、肌に負担になる成分は少ないでしょうが、可能な限り完全に落としておくのがよろしいでしょう。

できるだけ落とした状態で、刺激の少ない保湿成分を改めて付けましょう。髭剃りの場合、アフターシェーブスプラッシュと呼ばれる製品にはアルコールが含まれており、肌を乾燥させます。アフターシェーブローションには含まれていることも、含まれていないこともあります。アフターシェーブバームには、アルコールは基本含まれていません。

汎用的に利用できるのはグリセリンです。石鹸に使われているグリセリンは前述の通り、洗い流されますので、改めて補給してあげましょう。5倍から10倍程度に薄め、スプレーするのが簡単です。刺激の少ない保湿成分です。シェービング後にはぴったりです。

保湿後、必要であれば保湿成分が捕まえた水分が簡単に蒸発しないように、オイル分で覆っておきます。そこら辺は女性の得意分野でしょう。

男性のために説明すると、保湿は体内からの水分を捕まえておく役目ですが、そのままでは水分は次々と蒸発してしまいます。そこで、一番上に蓋になる成分を重ねて、蒸発をしづらくします。エモリエント効果と呼ばれています。

そのためには一般的に油分を使います。自然の油でも良いのですが皮膚に吸収されたり、酸化したりしやすものも多いため、使いやすいのはワセリンです。保湿剤が乾いた後に、ワセリンを米2粒分程度を手のひらに体温で薄く伸ばしてください。それを叩きながら髭剃り後へ移します。

べたつくので、ティッシュペーバーをそのまま貼り付け、その上から抑えながら、吸い取ります。しばらく繰り返すと、ワセリンが薄くなり(更にティッシュの繊維がくっついて)、ベタつきが弱くなります。カミソリ負けしたところは、厚めに残しておくとすぐに傷みが引きます。しかし、ワイシャツの襟などにつくと、洗濯してもなかなか落ちませんので、接触する部分には塗らないほうが良いでしょう。

最後に

結局のところ、一般的なシェービングのアドバイスが当てはまります。常識的なヒントをそのまま守ることが、カミソリ負けを防いでくれます。

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