NGT中井2、AKBグループ恋愛禁止の現状

私達個人がアイドルに対しそれぞれ抱いているイメージがどんなものであれ、AKBグループだけでなく、坂道シリーズも恋愛禁止ではない可能性が強いのです。中井りか氏にペナルティーが課せられるべきかは、アイドルの現状を考慮すべきです。

(以降で、現状の日本の女性アイドルの恋愛禁止の状況についての考察を記述します。内容は、筆者個人の主観に基づくものであります。実際にどうなのかは、自分で調べ、自分で考えて、答えを出してください。筆者は、個人的な考えを押し付けようとは思っていません。)

私はもともと英文字3文字の後ろに「48」が名前の後ろにつくAKB全グループ、「〜坂46」がつく坂道シリーズのファンではありませんでした。そのため、これから説明する内容が、正確にいつであったか覚えているわけでありません。

日本のアイドル文化、もしくはK−POPが欧米で知られるようになった時、恋愛禁止で契約されていることについて「人権無視」だと非難されました。ご存知の通り、欧米は日本より人権には厳しい文化であり、日本は外圧に弱いのです。

ですから、契約書に恋愛禁止が明文化されなくなりました。本当にうっすらした記録ですが、AKBの契約から恋愛禁止が削除された、もしくはもともと契約書に明文化されていなかったという内容が報道されたことがあったと思います。

最近の坂道シリーズでは恋愛がばれても、そのメンバーをクビにしていません。できないのです。契約書に書かれていないからです。坂道シリーズのレーベルはソニーですし、運営もソニーが関わっています。

特にソニーは、世界3大レーベルの一つであるグローバル企業です。日本のアイドルのイメージが恋愛禁止だからと言って、契約書に明記すれば、欧米の人権団体から責められることになります。国際的な「コンプライアンス準拠」なのです。

同様にAKBの運営(AKS)は、アジア圏にも進出しています。実際は現地の企業に運営を委ね、ノウハウと名前、楽曲などを提供するフランチャイズでしょうが、「国際的」な芸能運営組織になっているのですから、人権問題で叩かれるようなことはできません。

今回の中井りか氏(以降は中井と略)スキャンダルで、NGTが好きなファンが「中井がNGTの名前を汚した」から彼女をクビにしろと叫んだところで、できないのです。彼女の所属が大手の芸能プロダクションに移ったとか、秋元Pがサポートしているとかに関係ありません。もともと、恋愛禁止ではありません。ですから、恋愛したという理由で彼女を罰することはできません。

特にNGTの楽曲をリリースしているアリオラジャパンは、ソニーの内部レーベルですから、恋愛禁止を契約に入れるのは好ましくないでしょう。

つまり、私達ひとりひとりがアイドルに対して持っているイメージや、どうすべきかという規範がどんなものであれ、現状のAKBグループと坂道シリーズのメンバーの恋愛は個人の自由です。

自由と責任

ただし、恋愛が発覚したメンバーがどう取り扱われるかは、また別の問題です。こちらは運営のさじ加減一つです。

人気がないメンバーであれば、選抜から外したり、序列から外したり、イベントに参加させなかったり、楽曲に参加させなかったりできます。ファンが多いメンバーであれば、スキャンダルを無視することもあるでしょう。実際、最近のAKBと坂道では、人気メンバーに対するスキャンダルは無視しています。処分をしてしまったら恋愛を公式に認めることになります。

恋愛が暴露されれば、そのメンバーの人気は落ちるでしょう。それがペナルティのひとつです。恋愛に関してより緩いはずなアーティストや役者さんでも、恋愛が発覚すれば人気が下がります。より交際についてクリーンさが求められるアイドルであれば、言わずもかなです。

人気が落ちた後、以前のように人気を増やすのは通常困難になります。そうした、リスクがあるのをわかっていながら恋愛しているのですから、「タバコを吸うと肺がんのリスクが増える」、「太ることで血管や心臓の負担が大きくなり、病気発症のリスクが増える」と全く違いはありません。リスクがあることをわかっていて、恋愛するのであれば、それはそのメンバーの自由なのです。

判例

2016年にAKBではありませんが、契約に「恋愛禁止、恋愛禁止を破った場合の損害賠償はそのメンバーが負う」旨の内容の契約を行い、破ったメンバーに対する損害賠償請求の判例が2つ出ています。

検索すれば簡単に見つかります。詳しく内容を知りたい方は、ご自身でお読みください。

2つの判例は恋愛禁止を破ったメンバーによる、損害の賠償を裁判で争ったものですが、片方は賠償を認められ、もう一方は認められませんでした。しかし、共通点を大雑把にまとめると、「アイドルはプロダクションの初期投資を後に回収する商売であるし、ファンはアイドルに性的清潔さを求めるので、人気を獲得し、ファン離れをおこさないために、恋愛禁止条項は合理性がある。」です。

損害賠償を破ったメンバーに請求できるかどうかは、ケースバイケースになりますが、恋愛禁止条項を契約に盛り込むこと自体は、法律上問題はないようです。さらに両判例は、アイドルは恋愛禁止であるという社会的イメージが存在することを間接的に認めています。

ただし、AKBグループ、坂道シリーズで契約に盛り込めるかと言えば、前述の通り「人権」という点で難しいのです。

契約で禁止されていない証拠

中井のスキャンダル以降、AKBグループが契約で恋愛禁止していないことを間接的に証明する2つの出来事がありました。

2018年の選抜総選挙が終わった数日後、100位までにランクインしたAKBグループのメンバーがTV番組で討論会を開いています。その中の立候補者全員に対する匿名アンケートで、「スキャンダルであっても注目されたい」に対し33名/338名がYESと回答、「恋愛禁止にする必要はない」に対し125名/338名がYESと回答したことが発表されました。

質問の「スキャンダル」とは、恋愛のスクープを意味しているとメンバーが考えていたと想定して良いでしょう。アンケートは総選挙開票イベント前に実施されたもので、中井のスキャンダルによる影響は反映されていません。

この質問に対し33名が「はい」と答えたのが、多いのか、少ないのかを別にして、恋愛スキャンダルを起こしてもペナルティがないことをわかっていなければ、「スキャンダルであっても注目されたい」という質問に対してYesの回答はできないでしょう。これにより、少なくても恋愛禁止を破ったことによる損害賠償条項が契約には含まれていないことが想像されます。

また、番組中にSKE48の松村香織氏が、「恋愛禁止にする必要はない」の質問に対して、「恋愛禁止という暗黙の了解で(やって)来ているでないですか…」と話した部分があります。これは恋愛禁止は明文化されておらず、暗黙の了解に過ぎないことを示しています。

ちなみに、中井はこの討論番組の冒頭のみ登場し、すぐに退席しました。余計な発言により反省が見られないと叩かれることを警戒した運営の判断と、中井に遠慮して意見が出づらくなり、盛り上がりに欠けることを考慮した番組側の判断が一致したのでしょう。

もう一つは、事務所の対応に対して中井自身が自身のレギュラー番組で発言した内容です。3年C組の7月18日放送の中で、カズレーザーから「どの時点で事務所から怒られたのか」という質問に対し、中井自身が歯切れが悪いのですが、「取材をされたことを連絡した後、どういうことだ、なぜ取材されたということを問われ、報道が出ることに対してまず怒られた」と返事をしています。

この場合の連絡先がNGTの運営(AKS)なのか、所属の太田プロなのかは分かりませんが、恋愛禁止条項があるのであれば、恋愛していたことを先ず叱責するのが通常でしょう。そのため、この発言を素直に取るのであれば、恋愛禁止ではないために、恋愛に関しては叱責されていないと考えられます。

ただし、この中井発言の解釈については別の可能性もあります。一つは連絡先のマネージメントが、既に中井の交際を知っていた可能性です。別の投稿で書きますが、少なくともNGTの運営は中井がファンと付き合っていることを当の昔に知っていた可能性があります。もう一つは、連絡の後にすぐに事務所へ呼び出され、呼び出している間に文春側から事実確認のFAXが送信され、事務所側は逢い引きの事実を把握し、事務所に到着した中井に対し、スクープされるようなことをしたことを叱責したという仮定です。

どのストーリーが真実なのかは分かりませんが、突撃取材をされた後に事務所に呼び出されているとは思います。配信を保存していないので記憶が頼りなのですが、文春による突撃取材の当日と翌日、パーティションで区切られた事務所の一室からShowroom配信を中井が行っていたのをうっすら覚えています。(記憶が頼りのため、間違っている可能性もあります。動画を保存している方は、確認してください。)

NGT公式の対応

恋愛禁止でないため、そして処分を行うと報道内容を認めることになるため、中井の同棲報道に対する今村NGT支配人の対処は公式には、「迷惑をかけた」ことを謝るに留めています。

致し方ないとは言え、AKBグループやNGTの他のメンバーのファンの思いや、純粋にNGTの将来を心配しているファン、常日頃から中井の言動がNGTには悪影響を与えていると感じているファンの気持ちを収めるものではないでしょう。

問題点

こうした状況でありますが、「恋愛禁止ではない」をおおっぴらには運営もレーベルも明言しません。「うちのグループは恋愛自由ですよ。」アイドルグループがそんなふうにメンバーを募集したら、人気がでません。判例にもあるように、一般的なアイドルのイメージには「恋愛しない」が含まれているからです。

実際、一番新しいAKBの支店、STU48が初めてメンバーを募集し、合格したメンバーが「恋愛禁止でないんだって、助かった」旨のツイートをし、炎上したことがあります。

秋元康Pが、「恋愛禁止と言ったことはない。しかし、真面目にアイドルに取り組んでいるとしたら、恋愛なんてする暇がないでしょう」と何度か話しています。この言い方はとても絶妙です。恋愛禁止にはしていないので、人権団体から横槍を刺されることはありません。「暇がない」と指摘することで、アイドルとして望ましい振る舞いをそれとなく表明しています。

脱線しますが、残念ながら秋元Pの言葉の後半は真実ではありません。たとえば今年、2018年、今年の総選挙第4位に入った、中井と同じNGTのメンバーである荻野由佳は、ShowroomやAKBグループメンバーの討論番組中で、同じことを話しています。しかし、その数日前に、家族と近くの水田でザリガニ釣りをしています。ザリガニ釣りをする時間が持てるのであれば、恋愛をする時間も捻出できます。中井も今回のスキャンダルが出る前まで「寝る暇がないほど忙しい」と言っていました。実際、仕事はこなしていたようですが、恋愛する時間を持てていました。秋元Pの本意は「自由時間も自分のスキルアップに使え」だったのでしょうが、AKBメンバーに事あるごとに引用され、意味合いが薄れてきたようです。

話を現在のAKBグループに戻しますと、坂道シリーズも同じですが、メンバーは時々「恋愛禁止」を口にしますが暗黙の了解であり、契約内容ではありません。運営が強要していません。過去はどうであれ現在ではメンバーが自主的に守ってきた約束事レベルなのです。

運営はこれを肯定も否定もしていません。商売ですから、ファンが勝手に良い方、つまり「AKBグループのアイドルは恋愛禁止だ」と思ってくれるのをわざわざ否定する必要がありません。そう思ってもらったほうが、ファンが増やしやすいですから。

商売的には現在これで成り立っています。あなたがあるメンバーを推す(応援する)ことを決めます。それは、それぞれのグループの包装紙に包まれて、私達はそれを見て「高級品」である(判例が示す通りのアイドル像で、恋愛もせず、アイドルとして日々頑張っている)イメージを持ちます。しかしながら、そうした商品の中身は新品であったり、中古品であったり、高級品であったり、バッタ物であったりするのです。

包装紙には「高級」(恋愛禁止)と書かれているわけでないのですが、高級さを演出している包装紙を見て、私達は高級であると勝手に思っているのです。

運営は黙って、きれいな包装紙で包み、商品棚に飾ります。「高級ですか?」と質問しても、黙って微笑んでいるだけです。「中にはバッタ物が含まれていることがあります」とわざわざ説明することはありません。

こんな商売は、ある意味詐欺的です。引っかかったら、お前たちが悪いと言っているようなものです。「自分たちには責任がない、だって高級品と一言も言っていませんから。だから何があっても、お金は返しませんよ。」

アイドル、それより大きな括りの芸能という分野で、こうした詐欺的行為が成り立っているのは、問題です。芸能だって商売です。品質管理も、品質保証もないのは、本来おかしいのです。商売は信用で成り立つはずですが、次から次へ新規の顧客が来るから、信用なんてどうでも良いという運営方法です。

そして、改善策を取らずに、同じことを繰り返しているのは怠惰です。2017年に自分は処女であると普段から明言し、彼氏ができたらファンへ報告すると宣言することで人気と票を集めたメンバーが、実は結婚を約束した人がいると宣言しました。2018年にも再び、「(ぼかしながら)そんなことしていない。したことない。もし、誰かと付き合うなら、必ずその前にファンに伝える。信じて。」と言っていたアイドルが同棲で文春砲を受け、それをスピーチしました。自分で「高級品」と札を上げていた商品が、実はばったものであったという事例です。人気獲得のために偽のラベルを掲げ、ファンを騙したのです。なぜそうしたかは明白で、判例にもあったように「ファンはアイドルに性的清潔さを求める」ためです。当然、本人たちも分かっていて、発言していたのでしょう。

恋愛は禁止できなくても、ファンに嘘を付かないことを守らせることはできるはずです。なぜなら、嘘を付かないことは全世界共通の約束事です。最近、コンプライアンスに厳しくなってきて、世間はコンプライアンスから外れた企業を責め立てます。コンプライアンスは「法令遵守」と訳されることがありますが、意味合いはもっと広く、社会通念を守るという意味も含んでいます。

少なくとも、去年の須藤梨々花、今年の中井に関しては、ファンに対して堂々と長期間、嘘をついていたのは明確です。恋愛について嘘にならないように、黙っているという選択肢があったにもかかわらず、積極的に嘘をついたのです。騙してファンを獲得する、握手券を買ってもらう、投票してもらうためにです。それは「自己の利益のために他人を騙す」という社会通念に大きく外れる詐欺に近い行為なので、きちんと運営と本人が謝罪しなくてはなりません。

須藤梨々花は、十分に全てを話したわけでありませんが、記者会見を開くことで説明、謝罪をしました。しかし、今回の中井は「ただの恋愛スクープ」として取り扱われ、「半同棲」という事実を本人も運営も認めていないため、説明も謝罪も行われていません。

ファンは応援のために有料の投票を行っているのです。金銭が絡んでいるのです。商売に不正直、不誠実があってはいけないことは、確実に「社会通念」でしょう。

まとめ

冒頭で述べたことを繰り返しますが、このブログ記事のシリーズは、あくまでも個人的主観で書いているものです。

今回の中井のスキャンダルで、私が個人的に怒っている部分は、彼女が不誠実であった点です。多くの同様の意見がネット上で聞かれますが、炎上キャラでも、裏ではしっかりしていると信じていました。攻撃的な性格であり、アンチがたくさんいても、NGTの広告塔としてファンを引き寄せてくれると思っていましたし、高いパフォーマンス力をあらゆる分野で持っている才能を高く評価していました。

しかし、今回のスキャンダルで、NGT全体のイメージ失墜、NGTの他のメンバーのイメージ失墜、CDなどの売上低下などなど、たくさん起きるであろう悪影響により、NGTの成長が鈍ることに怒っています。

彼女が正直にことの経緯を話し、真摯に謝罪することにより、彼女やNGT、他のメンバーのファンの流出を防ぎ、悪影響を最低限度にとどめてくれることを願っています。日本人は誠実な対応をすれば、多くの人が許してくれる国民性です。その後で、一からやり直し、成功してくれることを願っています。かつての指原莉乃のように。

説明と謝罪をしないのであれば、NGTから卒業してもらいたいと思っています。ダーティーなイメージはNGTのそれとは真逆です。

恋愛に対して運営が怒れない状況があるにしても、中井が嘘を付き続けてきた事実に関しては、本人と運営が事実を説明し、謝罪する必要があるでしょう。

次の投稿は、中井のスキャンダルにより、起きる悪影響を考察する予定です。


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